相手に伝わる表現で仕事を円滑に……ユーメッセージとアイメッセージの違いと、指示の仕方のコツ
2018年8月9日 Posted by 編集部

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仕事上の指示や指摘の仕方に悩んでいる方は、アイメッセージとユーメッセージの概念を理解しておくとコミュニケーションがスムーズになります。仕事の中で活用できるアイメッセージの具体例や、気をつけたいNGポイントをご紹介するとともに、適切な指示の仕方について考えます。
アイメッセージとユーメッセージ
アイメッセージとユーメッセージは、人を動かす伝え方の定義として使われる考え方です。誰かに何かを要求するとき、相手から反感を買わないようするにはどうしたらいいのかは、コミュニケーションにとって重要なポイントでしょう。
アイメッセージとユーメッセージの違いを理解することで、相手に不満を感じさせることなく、適切な指示を伝えやすくなります。では、ユーメッセージとアイメッセージにはどのような違いがあるのでしょうか。
主語が「私」か「あなた」かの違い
相手に伝える内容の主語が相手であれば「ユーメッセージ」、自分であれば「アイメッセージ」と区別します。
―具体例―
・ユーメッセージ
「資料作成の時は右下にページ番号を入れろと前にも言っただろう!」
・アイメッセージ
「資料には右下にページ番号が振ってあったほうが、説明する時に伝えやすくて嬉しいな」
同じ「資料の右下にページ番号を振ってほしい」という要求ですが、ユーメッセージは「あなたがページ番号を振り忘れた」と指摘しており、アイメッセージは「ページ番号があると私が嬉しい」と伝えています。同じことを伝えていても、相手への伝わり方がまったく違うことが例からわかるはずです。
指示や指摘の主語は本来「私」であるべき
誰かに何かを改善してほしい、タスクを任せたいなどの要件が発生した場合、そのほとんどが自分の都合によって生まれています。なぜ、そういった要求が生まれてきたかを落ち着いて考えれば、そうしてほしいのは「私は嬉しい」から、「私が助かる」からという“私”都合であることがわかるでしょう。
そのことに気が付けば、自然とアイメッセージで相手に指示や要求を伝えられます。では、なぜユーメッセージでの指示が口から出てしまうのでしょうか。
自分の感情よりルールを根拠にした指示だとユーメッセージになりがち
アイメッセージではなくユーメッセージで伝えがちな人は、「どうして自分がそうしてほしいのか」という点について鈍感です。たとえば、先ほどの例では「ページ番号を振ってくれていたら嬉しい」という自分の感情よりも「そうするべきである」という慣習やルールが指示の根拠になっており、最終的に自分が助かるという感情に気が付いていないのです。
「やって当然だ」という思いがこもるからこそ、ユーメッセージで「やれよ!」と伝えてしまうのですね。これは、仕事上のコミュニケーションだけでなく、家族や恋人、友人でもよくある展開です。しかし、その「当然」を相手は知らないかもしれませんし、理由に納得しなければ改善する気にもならないでしょう。
アイメッセージが相手に与える効果と具体例
ユーメッセージは相手の立場を考えていない指示になってしまう一方、アイメッセージは相手から見ると非常に理にかなった表現方法です。その理由とメリットをご紹介します。
自身の感情を交えると親近感があり、相手が受け止めやすい
あなたの感情を指示の根拠として伝えることで、あなたの内面や考え方が相手に伝わり、相手には改善する理由ができます。すると、自分の行動を正すことに対するストレスを感じず、自然に要求を受け入れることができるのです。
―具体例―
・ユーメッセージ
上司「今日までにお願いしていたタスク、早く見せてくれよ」
部下「はい(急かさないでくれよ、今やってるよ……)」
・アイメッセージ
上司「あのタスクもし早く終わったら、確認できると嬉しい!お互い最近残業続いてるし、疲れちゃったよなそろそろ…今日は早く帰ろうぜ…」
部下「はい(あ、確かに疲れているだろうな、早く終わらせてあげよう)」
例の場合、“早く帰りたい”という思いを抱いていることを素直に伝えたほうが、親近感がわきます。そして、その結果“嬉しい”という感情が生まれることも表現できているので、部下が急ぐ理由ができますね。
相手を育てるきっかけになる
こうした感情を交えたアイメッセージを伝えることで、指摘された相手は自分の立場以外の視点に立つことができます。
つまり、「仕事で忙しくて自分のことしか考えられない」状態から、「指摘してくれた相手には相手の立場や状況があるのだ」ということを認識する状態へと成長できるのです。
相手の立場に立って仕事を進めることは、職種や業種を問わずキャリアアップの第一歩となるでしょう。アイメッセージは指摘する相手を育てることにもつながるのです。
アイメッセージは感謝や高評価につなげやすい
アイメッセージは、指摘したあと改善した相手を評価する流れもスムーズになります。
―具体例―
・ユーメッセージ
上司「このプレゼン資料、画像が荒くて見えづらい!直してくれ」
部下「(作業後)修正しました」
上司「OK」
・アイメッセージ
上司「このプレゼン資料、もう少し画像がクッキリしていたほうが、俺みたいに目が悪い人でも見えやすくて助かるな」
部下「(作業後)修正しました」
上司「おお、見えやすい!ありがとう、助かったよ」
自分が困っている、自分が直してほしいという視点で指摘するアイメッセージの場合、それをやってくれた相手に対して感謝を述べるのは当然のことになります。このほうが、相手にストレートに「ありがとう」という言葉を言いやすく、お互いポジティブな気持ちで仕事ができますね。
アイメッセージのように見せかけた押し付けの指示に注意
アイメッセージにはさまざまな利点がありますが、主語が「私」になっているからと言ってすべてがアイメッセージというわけではありません。相手に要求を押し付けてしまうアイメッセージのNG例をご紹介します。
「~だと私は思う」と加えているユーメッセージ
―具体例―
①「もう少し細かく確認したほうがミスも少なくなるし、今回みたいなシーンで評価が下がることもないから、あなたのためだと思うんだよね、私は」
②「私は、あなたは自分のやるべきタスクがちゃんと処理できていないと思う」
③「あなたにはもっと大きなプロジェクトに参加してほしいからもっとがんばってほしいんだよ」
3つのメッセージは、一見「私」の感情を伝えているようですが、よく考えてみると「あなた」への要求を自分よがりな判断で押し付けているにすぎません。それを改善してくれた時に自分がどのように助かるのか、嬉しいのかという点には触れてないこともポイントです。
こうした要求を押し付けられると、言われた方は結局ユーメッセージで伝えられたときと同じ不快感を覚えます。
アイメッセージ+ユーメッセージの合わせ技
―具体例―
①「この商談を成功させてくれたら本当に助かる!だからプレゼンでこの前みたいに早口にならないでくれ」
②「今みたいに会議室が綺麗だと気持ちがいいんだよなあ……いつもちゃんと掃除してほしいわ」
③「今度の飲み会の準備、助けてくれたら嬉しいな。おまえ普段そういうの参加しないし、いい加減手伝ってほしいんだよ」
後文を言わなくても同じ意味は伝わるのに、ユーメッセージを付け加えることで後味を悪くしてしまっています。思うことや指示の核となる部分はあるかもしれませんが、相手の能動的な改善を望むならば、ユーメッセージを後付けしてしまわないよう気をつけましょう。
ネガティブな感情とセットでぶつけるアイメッセージは逆効果
―具体例―
①「俺、仕事を適当に仕上げてくる奴嫌いだわ」
②「もう少し主体性を持って取り組んでくれないと、私もどうやって接したらいいかわからなくて困る」
③「納期を守ってくれなかったの、悲しかった。本当に次から直してほしいな」
現状に対してネガティブな感情を抱いていることを伝えるアイメッセージは、相手にプレッシャーやネガティブな感情を与え、改善に向けたモチベーションを低下させてしまう可能性があります。
アイメッセージは、「指示を受け止めてくれたら、自分のポジティブな状況が生まれる」と伝えることがもっとも大切です。自分の感情をストレートに伝えることばかりに気を取られてしまうと、不必要なストレスをかけてしまうので注意しましょう。
アイメッセージを活用し、仕事のコミュニケーションを改善しよう
アイメッセージは相手への配慮や対等な姿勢から生まれるものです。今回はユーメッセージと比較しながらアイメッセージの利点や注意点をご紹介しましたが、一番大切なのは、仕事を共にしていく相手に敬意を払いながら、改善に向けた動きが大切であることを真摯に伝えることです。
こうした言い回しが不得意だという方もいるかもしれませんが、仕事のコミュニケーションを円滑にするために、ぜひアイメッセージを活用してみてください。
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