それって思いやり?本当に「思いやり」を持った人になるために知っておきたいこと
2018年9月4日 Posted by 編集部

仕事でも日常生活でも、人間関係を良好に保つために大切なのが「思いやり」です。だけど、あなたがしている行動は本当に相手を「思いやって」のものですか? 今回は、思いやりのない人の特徴や、実は「思いやり」とは言えないかもしれないことについてご紹介します。
目次
そもそも「思いやり」や「思いやりのある行動」とは?
「思いやり」の意味
普段何気なく使っている「思いやり」という言葉ですが、そもそもどういった意味があるのでしょうか? Weblio辞書で意味を調べてみると下記のような言葉が出てきます。
おもいやり【思い遣▽り】
- その人の身になって考えること。察して気遣うこと。同情。
- 遠くから思うこと。想像。推量。
- 思いめぐらすこと。思慮。考え。
上記のような意味からすると、「相手のことを考え思うこと」を総称して「思いやり」という言葉で表現しているようです。誰かに優しくすることも、思いやりがある行動と言えるかもしれませんね。
「思いやりのある行動」って何?
では、家庭や学校などで教わる「思いやりのある行動」とは、実際にはどのような行動のことを指しているのでしょうか? 次のような行動は「思いやりがある行動だ」と思われることが多いようです。
- 何もせずにそっとしておく
- 相手に知られないよう黙って行動する
- 笑顔を見せて安心してもらう
- イライラを表情に出さない
- 気を遣わせないよう配慮する
- 一声かけて気にかけていることを伝える
- 励ますために相手を認める、褒める
- 相手の話にしっかり耳を傾ける
- 自分の考え方を押し付けない
- 察するだけでなく直接聞いて理解する
- 相手のために甘やかさない
- 相手の思いやりを素直に受け取る
「思いやりのある行動」と言われると一見、自分が誰かに優しく接することを考えがちです。しかし「イライラを表情に出さない」のように、相手に対して不快な感情を抱かせないような配慮や、「相手のために甘やかさない」と、あえて相手のことを考えて厳しく接するなどの行動も「思いやりのある行動」と言えます。
「思いやりがどうして大切なのか? 社会に対する思いやりを推進する手助けができるかどうか」を調査したメリーランド大学のアブドラ・M・アブドルハリムは、思いやりのある行動について以下のように述べています。
思いやりには単に善意の行動とか、思慮深く他人に接するということだけでない。
相手や社会の福祉や幸福のために、時に厳しくすることもあるかもしれない。「思いやりのある行動」は自分が今まで経験や考えを基に、相手の状況や表情・態度・性格などを踏まえて適切な対応を取ることが「思いやりのある行動」と言えるのかもしれません。
あなたは大丈夫?思いやりのない人の3つの特徴
特徴(1) 周囲に無関心で自分が大好き
思いやりのない人はそもそも自分以外の人や周囲の状況に対して関心がありません。相手のことを思って行動する「思いやるのある行動」は、相手や周囲に関心が向いていないとスタートラインにも立てないのです。
つまり、自分のことが大好きで興味関心が自分にのみあるため、「自分自身に影響がないことは関わる必要がない」というスタンスなのです。また、相手や周囲に自分の良さをわかってもらいたい願望が強いので、何の脈絡もなく自分の話や自慢話をする特徴もあります。
特徴(2) 自分の欲望を満たすことが大切
自分のことが大好きな思いやりのない人は、自分自身をよく見せることが1番大切だと考えています。そのため、自分が何かを負担したり余計なことをさせられる、あるいは上司からの評価が下がるようなことを嫌う特徴があります。
余計な作業や仕事が増えたことについてネチネチと文句を言ったり、相手に対して「お前のせいだ」と暗に臭わせることもあります。自分の欲望を満たすことが1番なので、周囲の人の都合や気持ちを考える心の余裕はなく「面倒くさいことを押し付けられた」という考え方になってしまうのです。
特徴(3) 率先して動かず人任せ
「自分の欲望を満たす」ことを優先するため「周囲のことを思いやれ」ずに、「自分自身に影響がないことは関わる必要がない」と思っています。そのため、問題や困ったことが起きても、率先して考えたり行動することがありません。「自分がやらなくても、誰かがやってくれる」という考えが常にあるのです。
また、誰かに何かをしてもらっても自分が人の世話をした経験がないため、ありがたみや感謝の言葉は出てきません。
それって本当の思いやり?自分本位の思いやり
「優しく接する」のは本当に相手を思いやっているのか?
「相手を思いやる」というと、「相手に優しく接する」ことをイメージする人が多いかもしれません。もちろん相手の状況や性格を思って優しく接するのであれば、それは思いやりのある行動と言えます。
しかし自分本位の思いやりで行動している人は、別の動機があって相手に優しく接している場合があります。それは「他人に良く思われたい」という考えです。
あなたは相手に対して接している時、本当に相手のことを思いやって行動しているでしょうか? 「優しく接することで、相手や周囲によく思われたい」という考えはありませんか? 本当に相手のことを思っているのであれば、もしかするとあえて「厳しく接する」ことが適切な場合もあるかもしれません。
「援助」じゃなく「介入」してしまっている
「思いやりのある行動」は相手の状況や性格などに合わせた適切な対応を取ることを指します。相手の話を聞いて、時には手助けが必要となるケースもあるでしょう。
しかし、相手を思いやり過ぎるあまり「私がなんとかしてあげないと!」「この人には私しかいない」と考えて手を加えすぎてしまっていませんか? これだと手助けしてあげる「援助」ではなく、自分が主で行動する「介入」になってしまいます。
アドラー心理学について書かれている「嫌われる勇気」という本の中に下記のような一節があります。
「馬を水辺に連れて行く事はできるが、水を飲ませることはできない」
上記の言葉の意味について、本書中では下記のように説明がなされています。
子供が勉強すること。これは子供が自ら解決するべき課題であって、親や教師が肩代わりできるものではありませんでしたね。そして、介入とは、こうした他者の課題に土足で踏み込み、「勉強しなさい」とか「あの大学を受けなさい」と指示する事です。
一方、援助とは(中略)、勉強は子供の課題であると理解したうえで、出来る事を考える。具体的には、勉強しなさいと上から命令するのではなく、本人に「自分は勉強ができるのだ」と自信を持ち、自らの力で課題に立ち向かって行けるように働きかける事です。
あなたが相手のためにしている行動は「援助」と「介入」のどちらでしょうか? ぜひ振り返ってみてください。
「思いやり」とは何かを理解し、思いやりのある行動のできる人になろう
思いやりとは何か、思いやりのない人の3つの特徴や、実は「思いやり」とは言えないかもしれないことについてご紹介しました。相手や周囲を思いやり、行動するのは簡単ではありません。諦めないで考え、行動し続けることで、思いやりのある行動のできる人になることを目指しましょう!
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