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日本の労働環境が改善されないのはなぜ?海外と比較してどの程度悪いの?データで見る日本の労働環境

 2018年9月4日  Posted by  編集部

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日本の労働環境が悪いという印象が強いのはなぜなのでしょうか?その理由をさまざまなデータから紐解くとともに、日本の労働環境に根付いた習慣や日本の文化を取り上げ、日本の労働環境がなぜ改善されないのか考えていきます。

海外の人は日本の労働環境をどう思ってる?

残業など無駄が多い

海外の人は日本で働くうえで「残業が多い」「無駄な業務がある」「会議が長い」など、労働時間や業務フローに問題があると感じている人がいるようです。独立行政法人労働政策研究・研修機構がまとめた「データブック国際労働比較2018」によると、長時間労働の割合(就業者)を示すデータの中で日本は2016年時点で20.1%となっています。これは2016年のデータが掲載されている12ヶ国中で最も高い割合です。

2017年にマイナビニュースで掲載された「日本の労働環境は「遅れている?」- 在日外国人に聞いてみた」の中でも、以下のようなコメントをしている海外の人がいました。

「残業代で稼いでいる人達がまだ多い。世界各国は現在残業を減らす努力しているが、日本の大企業はまだまだ浸透されていないと感じる」(台湾・20代後半・男性)

「例えば、週報や日報のことです。無駄なことが多いです。それを無くして欲しい。会議も無駄が多い」(エジブト・30代前半・男性)

「長い会議、長時間労働」(ドイツ・40代後半・女性)

社内も社外も人間関係がめんどくさい

日本の職場独特の人間関係の在り方について煩わしいと感じる海外の人もいるようです。人材派遣業をしているアデコ株式会社が日本のホワイトカラー企業で働く300人を対象とした調査によると、「日本の企業で働いていて、好ましくないと思う点」という質問に対し、「『阿吽の呼吸』といった直接的でないコミュニケーションが煩わしい」(40.0%)、「遠回しな言い方がわかりにくい」(39.0%)など、いわゆる空気を読むようなコミュニケーションの仕方が難しいと答えた方が多くいました。

さらに、「上司とのコミュニケーションがとりにくい」(34.0%)、「飲み会や親睦会など業務外のイベントが煩わしい」(28.3%)という人もおり、日本の会社の中で職場の人たちとコミュニケーションを取るのに何らかの問題を感じたことがある人が多くいるようです。

女性にとって働きにくい環境

さらに、日本の職場は「女性にとって働きにくい環境」だと海外の人たちも感じているようです。先ほどのホワイトカラー企業で働く300人を対象とした調査によると、「男女が平等に扱われていない」と感じた人は43.3%いました。日本の職場だと、まだまだ管理職に女性がいないなどがあるため、そういった点で平等ではないと感じてしまうようです。

また、独立行政法人労働政策研究・研修機構がまとめた「データブック国際労働比較2018」の「育児休暇制度」の項目を見てみると、育休取得者の復職に関する事項について、下記のとおりとなっています。

日本:事業主に対し休業中の待遇及び休業後の賃金、配置、その他労働条件に関する事項を予め定め、労働者に周知させるための措置を講ずる努力義務が課せられている(指針において、育児休業後においては、原職又は原職担当者に復帰させることが多く行われていることに配慮すべき旨規定されている)

アメリカ:休暇前と同じ仕事又は同等の仕事への復職の権利を有する。

イギリス:出産(養子)休暇52週のうち最初の26週の間に復職する場合は現職復帰、労働条件を保障。これを超える場合は、現職または同等の職に復帰することができる。なお、復帰予定日を変更する場合、8週前までに雇用主への予告を要する。

ドイツ:以前と同じ又は同等の職へ復帰できる。

フランス:以前と同じ又は同程度の職に復帰できる。
(引用:「育児休業制度」データブック国際労働比較2018|独立行政法人労働政策研究・研修機構

育児休業を取得すると、復帰後に休業前と同等の仕事へ復帰できると明記されていないのは日本だけなのです。こうした働く環境に子どもに対する支援の手薄さも、海外の人が日本は働きづらいと感じてしまう一因となっているようです。

データで見ると一目瞭然、日本の労働環境の現状

1.世界と日本の労働環境の比較

人件費が安くなり続けている

(出典:日本の労働環境が悪化していることがよくわかる10個の統計データ)

日本の労働環境を知るためには、まず他国との比較から見た日本の現状を知る必要があります。OECD(経済協力開発機構)が調査した1999年から2011年までの単位労働コストの各国推移を確認すると、日本の特殊性が見えます。他国が経済危機等のタイミングで下降するのに対し、日本は緩やかな一定の下降を続けているのです。

単位労働コストとは、企業がある製品を一定量作るのに必要とする労働経費(賃金)のことを指します。つまり日本は、「ひとつの製品を作るためにかかる人件費が安くなり続けている国」と言えるでしょう。

(参考:Productivity and ULC By Main Economic Activity)

労働時間が長く、生産性が低い

世界の労働時間を比較したランキング(OECD調べ、2018年6月現在)では、日本は38カ国22位となっており、さほど労働時間が長い印象はありません。しかし一方でGDP(国内総生産)も含めて他国と比較すると、先進国の中では労働時間に見合った生産性が保たれていないことがわかります。

ルクセンブルク、ノルウェー、スイス等14カ国は日本よりも短い労働時間で高い生産性を実現しており、米国やアイルランドは労働時間が多少日本より長くとも生産性が高いのです。

なお、本データは労働時間の短い非正規雇用も含めているため、正規雇用でデータを改めた場合、より生産性が低くなる可能性は否めませんが…。

(参考:OECDの一人当たりの名目GDP(USドル)ランキング)

2.賃金と労働時間の推移

労働時間は一見減ったようだが、雇用形態の変化が影響

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査レポート「長時間労働と残業代の実態」によると、日本の労働者一人あたりの労働時間は、人件費抑制のための非正規雇用増加に伴い減少しています。一方で、一般労働者の残業時間は2010年を境に増加しています。

従って、正規雇用社員の労働時間は増え続けているものの、非正規雇用の労働時間も含めた平均値となる全体の労働時間にはデータとして可視化されていません。

労働時間あたりの賃金は低い

残業による収入が増える一方で特別給与(ボーナス)は下がっており、賃金の総計が増えているわけではありません。また、非正規雇用と正規雇用の時給差は2012年から2017年まで格差が広がり続けており、調査対象の平均給与(平均年齢46歳)差は315万円に上りました。(朝日新聞「正規と非正規、年間給与に315万円の差 4年連続拡大」2017年9月28日)

要約すると、「労働形態問わず、長く働いても賃金が安い」と言えるでしょう。

日本の労働環境が改善されないのはなぜ?

海外と比較した日本の労働環境の習慣の違い

長時間働くことは良いこと?悪いこと?

日本の企業では「長くがんばって働けば働くほどいい」という価値観が強く根付いていますが、フランスやオランダをはじめとしたヨーロッパでは「就業時間内に仕事が終わらせられないのは仕事ができない人」という価値観があります。

人間の集中力には限りがありますし、健康を維持するためには休息も必要です。そういった観点からヨーロッパの考え方は合理的ですが、日本では時間をかけた努力に対する評価が根強いのです。

非効率的なシステムが多く、刷新も難しい

確認のために複数人に書類を回すシステムや「報告・連絡・相談(ホウレンソウ)」等の慣習は、日本企業にとって当たり前のものになっています。一方、米国を中心とした成果主義の国では、より効率的に結果を残すための工夫をするという違いがあります。

また、欧米型のトップダウン(上層部の方針を組織に伝え遂行するスタイル)の企業では、効率化のためのルールやシステムの変更がすぐに企業全体に浸透します。

一方、ボトムアップ(現場の業務を上層部に伝達していくスタイル)が一般的な日本企業では、業務が非効率であることや、現場のストレスを上層部が知るまでに時間がかかるうえに、システムの刷新が滞るケースが多いのです。

雇用形態や働き方に対する国の取り組みの違い

日本の正規と非正規という働き方は、社会保障や賃金の格差が問題となっています。対してヨーロッパ各国では労働時間以外の条件はほぼ変わらず、人々の暮らしに合わせた働き方を選べる環境があります。また、フィンランドでは試験的にベーシックインカム制度を導入するなど、時代の変化に応じた働き方や賃金制度を積極的な導入しています。

こうした国そのものの働き方に対する取り組みや考え方の違いも、日本の労働環境に大きな影響を及ぼしています。日本でも「働き方改革」と称した取り組みが進んでいますが、業務内容を鑑みない労働時間の短縮をはじめとした、現場に浸透しない対策が多いようです。

日本の労働環境問題は文化にも原因がある

過度なサービス精神が引き起こす労働環境の悪化

海外から高く評価されている「おもてなし」の精神も、サービス産業を維持するためには高すぎるハードルとなっているかもしれません。日本のサービスは世界でもトップレベルですが、清潔な環境や相手を思いやる接客を支えているのは労働時間の超過や精神的ストレスです。

それでも努力によってクオリティを下げずにサービス提供をし続けようとする心構えと、価格競争の末に見合わない価格で提供してしまうことの結果が、現在の労働環境に現れています。

欧米スタイルを模倣した結果起きている摩擦

日本では、他国ですぐれた点を取り入れることにより、システム改善や経済成長を続けてきましたが、その結果として摩擦が生じている点もあります。

米国とヨーロッパの働き方は対照的

競争が激しい成果主義の米国では、労働時間が長い一方で生産性は高く、キャリアの長短に関係なく個々のスキルによって判断される環境です。一方ヨーロッパでは、労働の有無に関わらず最低限の待遇と身分は保証されています。失業率の高さについて問題視される国もあるものの、転職等の流動性が低く競争は起きづらい環境で、就職後は長期間のバカンスを楽しむ等の習慣があります。

日本はその両方を取り入れ、どっちつかずになっている

日本はこうした欧米両国のスタイルを半分ずつ取り入れた形になってしまっています。つまり、競争を促す環境が労働時間を悪化させている一方、待遇と身分の保証はないため職から離れることが難しく、結果として休暇もとりづらくなっているのです。

また、先に述べた「がんばるほどいい」という価値観や、「ミスを減らしてより良いものを目指す」という細やかな日本人の考え方も相まって、労働環境の悪化を引き起こしているのでしょう。

労働環境を改善するために個人でできることは?

集中タイムを導入する

時間の使い方を変えて、効率よく仕事をするように「集中タイム」を導入してみると良いかもしれません。人は睡眠時間が7.5時間ほど必要と言われており、起床後13時間経過すると、集中力が酒気帯び運転レベルに下がってしまうのだそうです。朝7時に起床したとして、13時間後は20時です。また、さらに起床後15時間経過すると、なんと酒酔い運転レベルとなり、ほぼほぼ正確に良い仕事をすることが難しくなってしまいます。

だらだら仕事をして残業するのではなく、朝から午前中にかけての時間帯で重要なことをやるようにすると、効率が上がるかもしれません。

本業以外の仕事を手伝わない

ドイツの場合ですが、自分の本業以外の仕事は基本的に手伝ったりしません。自分の時間を割いて同僚を助けることも基本的にはなく、同僚や顧客もそれを期待していません。そのため、自分の仕事をさっさと終わらせて帰宅することは何ら問題はありません。日本の場合「チームで仕事をする」という経営方針を持つ会社が多いためミーティングや会議が非常に多いですが、ドイツではこれらもありません。個人主義を大切にしている国なのです。

ついつい他人の仕事を手伝ってしまうことがある人は、自分の仕事と他人の仕事は別であるという意識を持ち、どこからどこまでが自分が本来取り組まなければならない業務範囲なのかを見直してみましょう。

仕事を生きる目的にしない

日本人は仕事に対して熱意を持って一生懸命向き合う人が多く、仕事自体が「生きがい」や「人生」となってしまう人もいます。他方、ヨーロッパなどでは「仕事は人生を楽しむためにするもの」という考え方があるため、生活をないがしろにしない制度やシステムができ、働きやすいのかもしれません。

仕事に対して全力で取り組むことは良いことですが、そればかりの人生になってしまわないよう、自分の生活を見直してみるのはどうでしょうか?

日本の労働環境の中で自分がどう生きるかを考えよう

日本の労働環境は、海外と比較するとさまざまな問題を抱えていることがわかります。しかし、そういった日本の労働環境の中でどう働き、どう生きていくかは私たちの判断にかかっています。

文化や慣習等の根深い要因が関わる労働環境が、そうすぐに変わるのは難しいのは言うまでもありません。まず、自分自身が置かれた環境内で工夫して生産性を高めることや、そもそも自身がストレスなく生きるために適した環境はどこなのかを考えることから始めると良いでしょう。


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広報/企画分野での企業経験を経て、フリーランスへ。ニーズに応じた企画/執筆を担当。2018年1月よりMAMORIOチーフエディター。一緒に仕事した方を"幸せにする”がモットー。”幸せになる考え方”をコンセプトにしたブログ「宿木屋」運営中。

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