落ち込んでいる人は、モチベーション維持にも効果的な「ペップトーク」で励まそう
2018年10月24日 Posted by 編集部

「周囲に落ち込んでいる人や励ましたい人がいる」「後輩のモチベーションをもっと高めてあげたい」……そんな時に使えるのが、短い会話だけで相手を元気にさせる「ペップトーク」というコミュニケーション技法。
5つのルール、4つのステップに従って周囲の人を励ますことで、よりよい人間関係を築くことに貢献します。
まわりを元気にする話し方、「ペップトーク」とは?
ペップトークは人を励ます話し方
アメリカで生まれた「ペップトーク」という言葉はもともと、試合や大事な場面を控えたスポーツ選手を励ますために、コーチ・監督をはじめとする指導者が短い激励の言葉をかけることを指していました。
それが日本に輸入され、アスレティックトレーナー(スポーツ選手の怪我のサポートなどを行うスタッフ)の岩﨑由純氏が一般的なコミュニケーションへの応用法を確立し、誰でも学べて効果が高いものとして広まっていきました。
ペップトークの5つのルール
ただ励ませばよい、というわけではなく、ペップトークと呼ばれるためには5つのルールに沿う必要があります。
- ポジティブな言葉を使う
- 短い言葉を使う
- わかりやすい言葉を使う
- 相手が一番言ってほしい言葉を使う
- 相手の心に火をつける本気の関わり
参考:浦上大輔『たった1分で相手をやる気にさせる話術ペップトーク』(フォレスト出版)
誰かにアドバイスをするとき、たとえば「できない理由を考えるな」などのネガティブな言葉を使う人がいます。前向きにすることが目的のはずなのに、この言い方をされると多くの人は気が滅入ってしまいます。また、長く分かりづらいメッセージでは相手の心に響きづらい。
短く分かりやすいポジティブな言葉を使い、本気で相手と関わっていく姿勢を持ってこそ、その言葉がペップトークとして効力を示します。
ペップトークの作り方4Step
ここからは、ペップトークを組み立てていく方法を解説します。以下の4つのステップを経ることで、対象者のやる気を引き出すことができます。
(1)受容
まず相手が置かれている状況を整理し、感情も含めてそれを受け入れてあげます。
ポジティブな状況であれば「営業成績がトップだな」などと、逆にネガティブな状況であることが分かっているなら「最近、あまり寝ていないらしいじゃないか」などと伝えます。
(2)承認
次に、「その状況や感情をポジティブに捉えよう」というメッセージを伝えます。
「営業成績がトップだな」の次には「会社にとってプラスだし、俺個人としても嬉しいよ」と続け、「最近、あまり寝ていないらしいじゃないか」の次には「仕事をがんばっているんだな」と続けるようなイメージです。
(3)行動
そして、相手にしてほしい具体的な行動を伝えます。
「このまま良い成績を維持してほしい」という希望があれば、それを「いつも通りの営業を頼むよ」という言葉に。「睡眠不足からくるミスを防いでほしい」という希望があれば、それを「今日は早めに寝て、体力を回復してほしい」という言葉に。
こちらの目的をそのまま伝えるのではなく、「相手に何をしてほしいのか」を表す言葉に変換します。
(4)激励
最後に、相手の背中をぐっと押すような一言を加えます。
快活な口調で、「楽しみにしてるぞ!」や「何かあったら相談できるときに相談してくれよな!」といった言葉で激励を送ることにより、安心感や一歩踏み出す勇気を与えることができます。
ペップトークの例文(後輩、先輩、自分に向けて)
それでは、実際にペップトークを考えてみましょう。今回は、「後輩」「先輩」そして「自分」を励ます場合を想定してみます。それぞれ、先に紹介した受容・承認・行動・激励のステップに沿って文をつくります。
後輩を励ます
(契約がなかなか決まらず落ち込んでいる後輩に対して)
受容
「商談、難しいよな」
※契約を取ることの大変さを理解している、という姿勢で話します。
承認
「でも、こうやって悩むことが成長につながるんだよ」
※「悩まないと成長できない」でも意味は同じですが、できるだけポジティブな表現にしましょう。
行動
「次こそは、なんて気負わなくていいから、自分なりの正解を見つけてみな」
激励
「応援してるから、一緒にがんばろう」
先輩を元気づける
(上司と上司の間で板挟みになっている先輩に対して)
受容
「上の言っていることが矛盾してると、どうしていいか分かりませんよね」
承認
「でもそれって、先輩が妥協点を探そうとしてるってことですよね。尊敬します」
※「自分が先輩の立場だったら、どんなことを言われたいか」を想像してみましょう。
行動
「とはいえ、とりあえず今日はすぐ上がって、ゆっくり休んでください」
激励
「仕事はなんとかなるから大丈夫ですよ!」
※安心感を与えられる一言を追加します。
自分のやる気を高める
(残業が続いて、モチベーションが下がっている自分に対して)
受容
「このところ急な仕様変更が多くて、残業が続いている」
承認
「でもこれは自分のキャパシティをはかるチャンスかもしれない」
行動
「踏ん張れるところまでは踏ん張ってみたいな」
激励
「体調にだけは気をつけて、がんばろう」
「励ましたい」という気持ちは言葉にすることで安心感を生み、相手にも自分にも良い影響を与えます。このペップトークを実践し、職場・プライベート問わずさまざまなシチュエーションでやる気やテンションを維持していきましょう。
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