システムエンジニアの「人月単価」はどのように決まる?給与との関係も解説
2018年11月16日 Posted by 編集部

クリエイティブな職種に就いていると、人月単価というワードをよく耳にします。特にシステムエンジニアに対してこの言葉が使われることが多いため、システムエンジニアとして働く方は正しい用法を知っておきましょう。
システムエンジニアの人月単価とは?
1ヶ月あたり、システムエンジニア1人の価格
人月単価は「その人を1ヶ月動かすとしたらいくらかかるか」という金額を表しており、新人だと50万円、ベテランだと100万円など、熟練度によって金額が異なる場合がほとんど。
価格を設定しているのはシステム開発会社ですから、同じシステムエンジニアでも所属する会社によって異なる単価が設定されることもあります。
人月単価の算出方法
人月単価はシステムエンジニアのスキルをもとに設定されます。当人に支払う給料にその他の経費や会社の利益となる部分を加えて、会社が「これなら他社に貸せるな」という金額を設定します。
つまり、人月単価の金額がそのまま給料に反映されるわけではありません。たとえ人月単価が100万円だとしても、そこからさまざまな金額が引かれたものが給料になるのです。しかし「人月単価が高い=給料が高い」とはならないものの、「給料が高い=人月単価が高い」のは事実です。
人月単価はなぜ必要?
人月単価が必要になるのは、システム開発会社側が見積書を作成する時です。依頼されたプロジェクトに必要な工数から、新人だと何人、ベテランだと何人が必要になるかを算出し、その他の経費を加えたものが見積として取引先に提示されることになります。
スキル、地域、会社の規模によって人月単価は変わる!人月単価の変動要因
同じシステムエンジニアでも所属する会社によって人月単価は異なる、と述べましたが、具体的にはどのような要因が人月単価に影響するのでしょうか。
会社の規模
まずは、システムエンジニアが所属する会社の規模の大きさです。自社製品を開発しているような大手企業になるとオリジナリティのある知識が求められるため高く設定されがちで、逆に取引先企業のシステム管理だけを担当するような中小企業では汎用性の高いスキルだけで事足りるため低く設定されることが多いのです。
システムエンジニアのスキル
もちろんシステムエンジニア本人のスキルも大きな要因です。ある業務を完了させるのに「1ヶ月でできるエンジニア」と「3ヶ月かかるエンジニア」では、当然前者のほうが人月単価が高くなります。
しかし、必要以上に安く済ませようとして人月単価の低い(≒スキルの低い)システムエンジニアを依頼してしまうと、想像以上の時間がかかり、かえって総合的な金額が高くなってしまうこともあります。
地域
都市部と地方とでは、オフィス家賃などの会社運営コストが大きく異なります。するとシステムエンジニアを1人動かすのにかかる金額も変わってくるわけですから、人月単価にも影響してきます。渋谷でシステムエンジニアとして働くAさんの人月単価が100万円だとしても、群馬の企業に転職すれば70万円くらいになるでしょう。
需要と供給のバランス(ニーズが多い、または希少スキルだと高くなる)
また、その時期にシステムエンジニアがどれくらい求められているかによっても人月単価は変動します。極端な例ですが、たとえば東京の企業が一斉にサイバー攻撃を受けて「すぐに修復したい」という需要が高まったとき、多くの企業がシステムエンジニアを取り合うため人月単価が高くなります。
つまり、ふだんはニッチすぎて需要が低い言語であっても、突然需要が生まれるようなことがあれば、供給の低さから人月単価が爆発的に高くなることもあるわけですね。
人月単価は高いのにシステムエンジニアの年収は低いのはなぜ?
システムエンジニアの平均年収
Tech総研の調査によると、30代前半のシステムエンジニアの平均年収は471〜557万円。全職業における30代前半の平均年収は400万円程度と言われていますから、そこそこ高めの収入であると言えます。
しかし、「自分の人月単価は80万円なのに、月収30万円しか貰えないのはおかしい」と考える人もいるでしょう。確かに、この場合の50万円は具体的にどういった内訳になっているのかは気になります。
人月単価には社会保険料やパソコン機材の費用が含まれている
1人のシステムエンジニアを動かすには、想像以上にお金がかかります。社会保険料、パソコン等の機材、資料づくり、その他の福利厚生。誰かが仕事をすれば、それに付随する作業も誰かが担わなければいけないわけで、それらの人の活動費用も必要です。人月単価は、こういった金額が含まれているために高額になるのです。
人月単価の1/3の給料でも高すぎる!?
人月単価はシステムエンジニアにとっての「売上」に相当する部分です。実際のところ、「できるエンジニア」が「できないエンジニア」のぶんまで売上を出して帳尻を合わせている場合も少なくありません。
トップクラスのシステムエンジニアなら収入の少なさに文句が言えるかもしれませんが、会社の中で平均レベルのシステムエンジニアは上に引っ張ってもらっているわけです。そう考えると、「人月単価の1/3が給与になれば良いほう」なのかもしれません。
たとえば営業の社員が1億円の案件を実現させたとしても収入が1億円になるわけではないのと同じように、給与と人月単価は別のレイヤーにあるものとして考えたほうがよさそうです。あくまで「会社がシステムエンジニアを取り扱うときの単価」として設定されているもの、というわけですね。
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