食品業界に転職する際の志望動機はどう書く?仕事内容、業界が抱える課題を整理しよう
2019年1月30日 Posted by 編集部

ふだん私達がスーパーやコンビニで購入する食品・食材は、例外なくどこかの食品メーカーによって作られ、届けられています。そんな食品メーカーが属する食品業界に転職する際は、まず仕事内容や抱えている課題を知り、熱意が伝わる志望動機を作成しましょう。
食品業界の現状と課題
国産にこだわりのある日本人の食をガッチリと支えている食品業界ですが、現在はさまざまな課題を抱えているようです。食品業界への転職を考えているのであれば、食品業界を取り巻く現状を把握しておきましょう。
人口減少による日本の市場縮小
日本の少子化によって労働力人口が減少しつつあることは食品業界以外にも大きなダメージとなっていますが、食品に関しては「食べる人の数」が売上に直結します。
日本の人口は2004年にピークを迎えてから減少するいっぽうで、特に若年層の人口減少が著しい状況です。それだけではなく日本人1人あたりの食品消費量も天井にぶつかっており、日本での市場拡大はあまり期待できないようです。
利益率が低く、環境変動リスクが高い
日本は食に対する意識が他国と比べて強いため、製造にかかるコストも膨大です。食中毒リスクは最小限にしなければならないし、製造の環境は厳しく管理されています。それはもちろん良いことですが、利益率は必然的に低くなります。大手企業になると利益率10%に届かないなど、他国と比較すると大きな差が見えてきます。
食品は生活に必要なものなので景気による変動リスクは少ないのですが、代わりに「環境」が大きく影響するというデメリットがあります。突然原料が高騰して製造のコストが高くなってしまうなど、業界としての収益が少々不安定です。
食品業界の主な職種
食品業界といえば工場で製造しているところを想像しがちですが、もちろんそれだけが仕事ではありません。食品業界も、他の業界と同じようにさまざまな職種から成り立っています。
リサーチ・企画(マーケティング職)
新製品の開発に向けた企画や売り出し方を考える職です。消費者がどんな商品を求めているかをリサーチし、それをどう売れば人気が出るのかを企画します。いわば、食品業界のブレーンとなる職種です。
商品開発
企画職が作り出した商品を、実際に形にしていくのが商品開発です。食品としての商品を研究し、工場で製造します。大手企業になると自社で研究所や工場を持っているところも多いですが、別の企業に委託しているところもあります。
原料調達
食品を作るための「原料」を手配する仕事があることも忘れてはなりません。主に商社を通して野菜や肉、その他の原料を調達します。買い付け先は世界中が対象となるため、国際的なスキルを持っていると活躍することができます。
営業
小売店や飲食店に自社の食品を取り扱ってもらうためには、営業の仕事が必要です。食品だけではなく、取引先に扱ってもらう可能性を高めるためにメニューなどの企画も同時に持参することがあります。また新卒の場合、リサーチ・企画職に希望を出していても「一度は営業を経験してくれ」ということで営業職に配属されることが多いようです。
食品業界の志望動機の例文
それでは、実際に食品業界に転職する際の志望動機を考えてみます。今回はマーケティング職と営業職について、経験がある場合と未経験の場合を想定して作成しました。
マーケティング(他業界で企画職経験がある場合)
*1 食品業界のマーケティングが前職とどう異なるかを伝えましょう。
*2 前職の経験がどのように役立つかをアピールしましょう。
営業(業種、職種ともに未経験の場合)
*1 業界未経験の場合は、なぜ食品業界に興味を持ったのかを記載しましょう。
*2 自分の希望と会社のビジョンの共通点を伝えましょう。
日本の食品業界は、利益率や市場の面で課題を抱えているものの、日本の食を支える社会貢献度の高い業界です。「仕事を通して社会に貢献したい」など、叶えたいことと会社のビジョンがマッチするなら、転職を検討してみても良いでしょう。