ジョブトラ20s TOP  >   長時間労働是正に向けて、有効な打ち手はあるのか?事例などを交えて考察していきます。

長時間労働是正に向けて、有効な打ち手はあるのか?事例などを交えて考察していきます。

 2018年1月8日  Posted by  編集部

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「長時間労働は労働生産性を下げる」として、是正する動きが最近活発化してきています。これは広告代理店や某テレビメディアの報道部などで、若い女性が過重労働により、自殺したり、過労死したりといったショッキングなニュースが世間の耳目を集めているということと無関係ではありません。

それでは、そのような不幸な労働事件を防ぐために、今企業は、社会は、どんな長時間労働対策を講じようとしているのか。現状を整理しながら考察しました。

働き方改革で残業時間は減ったのか増えたのか?

残業が減ったという企業の事例をひとつ見てみます。

「SCSK株式会社 長時間労働の是正を目的とした働き方改革」(https://bowgl.com/2017/08/15/workstyleinnovation-overtimemoney)

この記事で取り上げられているSCSKという会社は、「スマートワークチャレンジ20」という施策を実行しています。今までの残業時間削減施策と違うのは、残業時間の削減に成功した部門に関しては、その削減された残業手当を原資として、賞与に加算するというインセンティブ制度を運用している点にあります。会社は浮いた残業代で営業利益を増やすことができたにもかかわらず、あえてそれを残業時間削減に成功した社員に還元したのです。

社員としては、働く時間、拘束時間も減って、その上賞与も増えるわけですから、必死になって残業時間の削減に取り組んだことが想像されます。その経済合理的な、逆転の発想が功を奏した働き方改革の好例といえるでしょう。

逆に、サービス残業が増えたという声を紹介します。

働き方 改革現場 残業持ち帰り「増えた」(https://mainichi.jp/articles/20170329/ddm/016/010/016000c)

記事にあるような一律の残業時間規制(夜10時に全館消灯や面倒な事前承認制度など)はむしろ残業時間を増大させてしまうような危険性をはらんでいます。なぜならこれらの残業時間規制は単に「働く時間を減らせ」と命令しているだけであり、既存の仕事の業務量や納期・締切などはその規制前と何ら変化がないからです。

当然、終わらない分の仕事は家に持ち帰ったり、会社外の場所でサービス残業で間に合わせることになります。むしろオフィスで仕事ができないことで、効率が下がったり、真の労働時間を補足できなくなったりといった、弊害が記事では指摘されています。産業時間を減らすことに金銭的インセンティヴを付与して成功させた、上のSCSKとは好対照な結果といえるでしょう。

残業代ゼロ法案との悪名高い高度プロフェッショナル制度とはどんな制度?

高度プロフェッショナル制度(以下、略して「高プロ」)とは、専門性の高い一部の職種に対して、雇用主が定めた一定額の成果報酬を支払う制度です。高い専門性の一部の職種とは、金融機関の開発業務やアナリスト、経営コンサルタント、研究開発職などの、労働時間でその成果を評価するのが一般的に難しいとされている職種になります。加えてそれらの給料が、平均給与額の3倍相当(1,075万円)を相当程度上回る労働者、と提示されています。

既存の裁量労働制との違いは、上記の年収要件がないことや、対象職種が厳密に一致しないことなどが挙げられます。(専門業務型裁量労働制の主な対象職種はシステムエンジニアや記者、編集者など)

特筆すべきは、この制度は既存の裁量労働制とは異なり、深夜・休日労働割増賃金の対象にならないことがあります。つまり、既存の裁量労働制対象の労働者が、深夜や休日に働いた場合、割増賃金が払われるにもかかわらず、高プロに該当した労働者は深夜、休日に働いても一銭も貰えない、タダ働きを強いられるということです。

いかに自己裁量で働ける高プロ人材とはいえ、そのような規定で運用されてしまっては、マネジメント層に都合の良い労働力として酷使させられ、使い捨てられてしまうのではないかと言う懸念が広がっているのです。

しかし悪いことばかりでもなく、確かに上記したような職種の仕事は労働時間にその成果が左右されない性格がありますから、むしろ高プロ人材は時間の拘束から自由になって、労働生産性が上がるという声もあり、一概に良い悪いを断じることはできなさそうです。

高プロ人材になれば、出社時間や退社時間も自身の裁量で決定できるため、ワークライフバランスに寄与するという側面もあります。

<参考>

https://www.somu-lier.jp/closeup/advanced-professional/

過労死ラインもOKの残業規制と高度プロフェッショナル制度の行き着く先は、働かせ放題の社員の量産?

裁量労働制や高プロ制度の最大の問題は、会社から裁量などを付与されておらず、実際には厳格な指揮命令下の中で働くことを余儀なくされている社員が、会社によって恣意的にこの高プロあるいは裁量労働社員にされてしまうことです。

上記してきた要件を満たしさえすれば、その社員は実質労働時間の制限なく、会社側としては働かせることができてしまいます。

残業代が発生しない社員を酷使するようなマネジメントが横行すれば、そのマネジメント下で働かざるを得なくなった社員は、その長時間労働と過重労働により、精神疾患を患ってしまったり、悪くするとそれがもとで、自殺してしまうなどという不幸な労働事件に発展してしまう恐れもあります。

しかもそんな労働事件に発展したとしても、「件の高プロ人材が、自己裁量で勝手に長時間労働をしていた。マネジメントはあずかり知らないこと」と実質指揮命令下で労働者を酷使していたのに、雇用主が言い逃れるようなケースも出てきてしまう危険性を秘めているということです。

つまりこの規制が、実質的なブラック労働を温存するように悪用され、社員を大事にしないブラック企業をむしろ繁栄させるという負の経済性を発揮してしまうということです。

また、上記した高プロの要件も、そのハードルを下げてしまえば、より対象範囲が拡大する危険性を内包しています。成果主義、という、耳ざわりの良いフレーズによってより多くの労働者が、時間の上限なく働かされるような未来は、労働生産性の向上などと逆行しているといってよいでしょう。

真の高プロ、裁量労働制ならば大歓迎

主に残業時間を規制、という観点から働き方を見てきましたが、現状の日本国内における働き方改革の方向性が正しいベクトルを向いているのかは、議論が尽きないところです。

特に、一律で残業時間の上限を規制するというのは、実際にそれを実行している企業が成功しているようにはとても見えず、筋が悪いと言わざるを得ないのかもしれません。

SCSK社のように、社員にインセンティヴを持たせる、というやり方が機能していることからもわかるように、働き方改革はもっとボトムアップで盛り上がらないと結局現場の状況と乖離が生じてしまって機能しないのだろうと思われます。

たとえば、一律で夜10時消灯で帰る、という規制よりも、3日徹夜で働いて、その長時間労働した分、次の1週間はバカンスに行く、というような、メリハリの利いた雇用システムの運用ならば、若年労働者を中心に歓迎される可能性はあるでしょう。つまりもっと現場の労働者に裁量があれば、働き方改革はボトムアップでもっと上手くいくようになるのではないでしょうか。

働き方改革において、今すべきは規制を設けるというよりも、むしろ規制を緩和することなのかもしれません。


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