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皆勤手当とは?有給を取ると皆勤手当はもらえないってホント?

 2018年1月9日  Posted by  編集部


休まずに出勤した場合に、皆勤手当や精勤手当がつく会社もあります。皆勤手当とはどのような目的で導入されているのか、また有給休暇を取得した時の取り扱いなど、皆勤手当について詳しく説明します。

皆勤手当とは?会社が皆勤手当をつくる目的

皆勤手当とは、一定の期間内に1日も休まずに出勤した労働者に対して、報奨金として手当を支給するものです。手当の支給額に規定はありませんが、月額数千円~1万円程度としている会社が多いです。

皆勤手当を設ける理由

なぜ会社はこのような皆勤手当を設けるのでしょうか?
1つ目は、従業員の欠勤や遅刻・早退を防止するためです。業種・職種によっては、従業員が欠勤や遅刻をすることで、業務が滞ったり遅れたりなどの影響をダイレクトに受けます。交替制やシフト制の仕事が代表的な例です。このような業務の滞りを未然に防ぐために、きちんと従業員が出勤するように、奨励を目的として手当を設定しておくのです。

2つ目は、従業員のモチベーションを高めるためです。皆勤手当により給与が増えることが、従業員の意識によい影響を及ぼすと考えられています。

皆勤手当の導入状況と傾向

厚生労働省の調査によると、皆勤手当や精勤手当を設定している会社は29.3%にのぼります(就労条件総合調査(2015年))。企業規模が小さいほど制度を作っている企業の割合が高くなり、従業員数1,000人以上の企業では導入率7.2%ですが、30~99人の企業では32.8%となっています。また業種によっても差が見られ、運輸・郵便業、鉱業・採石業・砂利採取業、製造業などで導入割合が高いです。

しかし、近年の動きを見ていると、皆勤手当や精勤手当の導入率は、わずかですが減少傾向です。要因として、欠勤しなければならないような事態には有給休暇が用いられるようになってきており、欠勤がほとんど起きない状況となっていることが影響していると推測されます。皆勤手当の本来の目的を失ってしまっているともいえます。

皆勤手当と精勤手当の違いとは

皆勤手当とよく似たものに精勤手当がありますが、どこが違うのでしょうか?
皆勤手当と精勤手当には、それぞれ正確な定義はありません。会社の就業規則などによって規定されるものですが、主に言葉の意味合いから使い分けられているようです。

皆勤は、1日も仕事を休まないことという意味がありますので、皆勤手当は通常無欠勤の場合に適用されます。合わせて遅刻や早退がないことを条件とする場合もあります。一方、精勤とは、仕事によく励むという意味ですので、無欠勤だけでなく欠勤がごく少ない場合なども含まれる使い方がされることが多いです。

いずれにせよ皆勤手当、精勤手当はどちらも、会社が独自に設けている制度ですので、共通した規定があるわけではありません。また、皆勤手当や精勤手当を定めていない会社も多いですが、法的に問題はありません。

皆勤手当や精勤手当は、就業規則にて取り扱い方や金額などを定めるのが一般的です。多くの会社では、欠勤日数が基準となっていますが、就業規則を今一度確認してみましょう。

有給休暇を取ると皆勤手当は貰えない?

有給休暇を取得したら皆勤手当はどうなる?

仮に、皆勤手当の算定対象となる期間中に有給休暇を取得した場合には、皆勤手当はどうなるのでしょうか?

皆勤手当は、勤務すべき日数を全て出勤した場合に支払われるものですが、有給休暇を欠勤と扱うかどうかが争点となります。

有給休暇の取得を理由として、賃金などに不利益な扱いをすることは労働基準法136条附則で禁止されています。つまり、有給休暇の取得を理由に皆勤手当を支給しないことは本質的には違法ということです。有給休暇取得は労働基準法で従業員の権利として認められているからです。

しかし、皆勤手当については、会社が進んで独自に取り決めているものであるという背景から、過去の判例では必ずしも違法と判断されるものではありません、その金額の大きさなど、与える影響の大きさによるというのが一般的な見解です。

皆勤手当の金額が少額であり、従業員にとって有給休暇取得を抑止するような影響がない範囲であれば、有給休暇取得を理由に皆勤手当を不支給としても違法性を問えません。

代表的な判例に、沼津交通事件(最二小判平成5.6.25)があります。皆勤手当として月4,100円が支給されていましたが、欠勤1日で2,050円を控除、2日以上で不支給とするものでした。欠勤に有給休暇が含まれるために労働者が不利益を被ると争われましたが、月の給与に対する影響はわずかであったこと、会社に運行稼働率改善のために皆勤手当を設けたことなどの状況が加味され、皆勤手当不支給に違法性は認められませんでした。

生理休暇を取得したら皆勤手当はどうなる?

また、生理休暇を取得した場合の皆勤手当の支給についても代表的な判例があります。エヌ・ビー・シー工業事件(最高裁昭和60.7.16)です。

同社が精皆勤手当の制度を導入することになった際、生理休暇を取得した場合は欠勤扱いとし出勤不足日数に算入すると定めていました。これに対し生理休暇を取得した従業員が、「この取扱いは生理休暇の趣旨に反するもので労働基準法に違反する」と主張し、精皆勤手当の減額分の支払を求めて会社を提訴したものです。

確かに労働基準法第39条第7項において年次有給休暇については所定の賃金を支払わなければならないと規定されています。

しかし、生理休暇については労働基準法第68条において、従業員が生理休暇を請求することにより就労義務が免除され、労働契約上の債務不履行の責めを負うことがないことを定めたもので、「生理休暇が有給である」ことは保障されていません。

したがって、エヌ・ビー・シー工業事件では、「生理休暇を取得した従業員はその期間は就労していないのであるから、労使間に特段の合意がない限りその期間に対する賃金請求権はない」として、原告の訴えを棄却しています。

生理休暇などは労働基準法での設置が義務付けられている休暇ではありません。このように会社毎に定められている休暇の場合は、皆勤手当の適用における取り扱いが就業規定上どのように取り決められているのかを確認する必要があります。

また、エヌ・ビー・シー工業事件では生理休暇は皆勤手当の請求権がないという判決に至っていますが、皆勤手当の目的や従業員がこうむる不利益の大きさ、有給休暇の取得を妨げるかどうかなどが認められれば、皆勤手当の不支給または減額も認められる可能性があります。

上記のような休暇の取得と皆勤手当の支給における問題を避けるために、皆勤手当と有給休暇や会社毎に定められている特別な休暇制度については、きちんと取り決めをした就業規定を定めている会社が増えてきています。

まとめ

皆勤手当は欠勤や遅刻をせずに出勤した場合に支給されますが、働く側としてはやはり貰えると嬉しいものです。ただし、その額や運用方法などの細かい点は会社によって異なります。皆勤手当の目的や詳細について、就業規定を確認してみましょう。


Rebe career 編集部

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