後悔先に立たず。転職者を待ち受ける、転職後の後悔の悲劇
2018年1月9日 Posted by 編集部

転職というのは必ずしも、ポジティブな気持ちで行うものばかりではないでしょう。むしろ、それまでの人間関係を清算したかったり、ブラック労働に耐えかねてする転職、という方が実際には多いのかもしれません。
しかし、現職を逃れたいあまりに、内定が出たからといって、よく熟考することなしに、次の会社に飛び込むと痛い目にあうかもしれません。現職から一刻も早く逃げ出したい気持ちは理解できますが、ちょっと立ち止まって、以下の点について冷静に考え、調べ直してみましょう。
1.仕事内容・労働条件が求人情報や、思っていたのと違った。
労働基準法では、労働者を雇用するときは、仕事内容や労働条件を明示しなければなりません。
明示すべき項目のひとつとして、
「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項」が挙げられています。これは「労働条件通知書」に記載されています。
「労働条件通知書」は会社が労働者を雇用する際に、必ず労働者に交付しなければならない書面です(労働基準法第15条)。挙げられている業務内容や労働条件が、実際に課されたものと違う場合、労働者であるあなたは、明記された労働条件が違うということを会社側に主張し、改善を要求することができます。
そしてもし、それを会社に主張しても、会社が労働条件を改善してくれない場合、あなたはその会社との雇用契約を即刻解除して、退職することもできます。
しかしせっかく苦労して転職活動をして、勝ち取った内定ですから、そう簡単には手放したくはないでしょう。離職すると、再び就職活動をしなければなりませんから。ですから、労働条件をどうしても改善してもらいたい場合は、粘り強く交渉するしかありません。
あるいは不本意かもしれませんが、現状において会社に課された業務を受け入れる、という選択肢もあります。石の上にも三年、ということわざもあるように、いざ仕事をしてみたら、意外と適性を感じられるかもしれません。一時の感情に流されず、冷静に自分の未来のために判断しましょう。
2.社風が合わない・人間関係が上手くいかない
転職して、社風が合わないと感じてしまうのは大変に不幸なことです。在職しながらの転職活動はさまざまな苦労があったことでしょうから、そんな苦労の果てに入社した会社の社風が合わないとなっては、それまでの努力がすべて無駄だったと感じてしまう人もいるかもしれません。
しかし、社風が合わないという表現は少し抽象的すぎるので、それをもう少しブレイクダウンしていくことをまずはオススメします。一体何をもって、社風が合わないと自分は、感じているのか、自己分析するということです。
会社の人間関係なのか、長時間労働なのか、業務内容なのか、職場環境なのか。
具体的に何が合わないと感じているのかわかれば、それに対して、じっくり熟考してみることができます。
そしてそれを考えて煎じ詰めていくと、最終的には、人間関係の悩みに行きつくのではないでしょうか。なぜなら、会社というのは人の集まりであり、そこに集まった人たちがその会社の社風を形成していくからです。つまり社風が合わない=人間関係が上手くいっていない、という関係が成り立つケースが非常に多いのです。
退職するのは簡単ですが、せっかく苦労して入社した会社を、すぐ辞めてしまうのはもったいないです。「郷に入っては郷に従え」ということわざもあります。まずはその会社に溶け込む努力をほんの少ししてみてはいかがでしょうか。あなたがその会社の真の一員となることで、あるいはそれまで毛嫌いしていた社風の捉え方が変質するかもしれません。
逆にどんなに努力しても、どうしてもその社風に拒否反応が出てしまうかもしれません。であるならば、退職して、別の会社を探すというのも良いでしょう。上にも書きましたが、一時の感情に任せて行動して、後悔しないようにしたいものです。
3.長時間労働やパワハラが横行するブラック企業だった
苦労して入社してみたら、そこがブラック企業だったというのは若いビジネスパーソンにしてみると笑えない話です。ブラック企業というのは特段、明確な定義があるわけではありませんが、大体以下のような実態があれば、そこはブラック企業と考えて差し支えないでしょう。
- 月の残業時間が多い(毎月80時間以上が恒常的に続いている)
- 多い残業時間の割に、その残業時間に対して残業代が支払われない(サービス残業)
- 上司や先輩が権力や社内の立場を利用し、無理難題を突き付ける。いじめなど(パワハラ)
- 若手社員の1年以内離職率が多い。業務量が拡大したわけでもないのに常に社員募集をしている。
- 休日出勤や早出、深夜業務が常態化している。
これらの労働実態は、如実に労働関連法に違反している可能性もあります。かといって、やっと入社できた会社で、マネージャーに法律違反しているから、労働条件を改善してください、と上申するのはかなり精神的なハードルが高いことでしょう。
そもそも、現場の社員が上申したくらいで労働条件が改善されるなら、そこはブラック企業ではないともいえます。もし運悪くブラック企業に入社してしまって、そこで無理をして働いたら、心や身体の健康を損なってしまう可能性もあります。
そういう企業からは早めにエスケープする方が利口かもしれません。また、そういう企業には入社しないように、事前に情報収集をしておくべきだったかもしれません。自分の身は自分で守る意識を持って、応募する会社は入念に下調べをする習慣をつけましょう。
自分の身は自分で守るという意識を
上に挙げてきたのは、実際に会社に入ってしまってから気づく後悔の例です。つまり実際に入社してみて、働いてみて、現場や社内の空気や社員の人たちに触れてみないとわからないことも多いでしょう。ですから、入社前に気を付けるにも、限度があると思われるかもしれません。
それは確かにその通りで、人は、実際に体験・経験してみないと本当のところは分かりません。しかし上に書いてきた事例は、かなり一般化された入社後の後悔を記述したもので、今までも何人もの先人が経験・体験してきたことの集合知となっています。
ですから、入社前に最低限、上の事例についてクリアにしておくくらい、下調べをしてみてはいかがでしょうか。今はインターネットでどんな事象についても調べられますから、この下調べをやっておくだけでも、入社後に後悔することを回避できるのではないかと考えられます。自分の身は自分で守るという意識で転職にのぞみましょう。
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