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独立行政法人で働くには?独立行政法人の役割と転職方法

 2018年1月8日  Posted by  編集部


第二新卒として転職活動をしている人の中には、転職先として公務員と同等に扱われる独立行政法人が気になっている人もいるでしょう。独立行政法人は民間企業とはどう違うのか、メリットやデメリット、そして採用方法について解説します。

独立行政法人とは


独立行政法人とは、国民の生活や経済の安定に必要な事務や事業のうち、国が直接実施する必要はないものの、民間企業に委ねることは難しいものを担当させるための法人です。行政機関と民間法人の中間ともいえる立ち位置ですが、国の管轄下において業務を行っています。研究機関や大学、病院などが該当します。

独立行政法人はその法人自体が予算の運用権を持っているという点では、民間企業と近い性質を持っています。しかし、運営状況については、財務諸表などにより国の監査や外部評価を受ける必要があること、情報開示義務があることなどが異なっています。

なお、独立行政法人には、職員の身分が国家公務員となる行政執行法人(旧名:特定独立行政法人)と、非公務員となる中期目標管理法人、国立研究開発法人があります。2017年4月1日現在、87の独立行政法人がありますが、行政執行法人は7法人です。

代表的な独立行政法人

代表的な独立行政法人には、次のようなものがあります。並びは上から50音順になっています。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)

内閣府・総務省・文部科学省・経済産業省が共同で所管する国立研究開発法人で、国内唯一の宇宙研究開発機関です。宇宙開発や航空技術研究など先進的な研究に関する業務を担います。
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高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)

厚生労働省所管の中期目標管理法人です。職業の安定や経済発展などを狙いとして、高年齢者や障害者の雇用支援、職業能力の開発・向上のための業務などを行っています。
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国際協力機構(JICA)

外務省所管の中期管理目標法人です。政府開発援助(ODA)の実施機関の一つであり、開発途上国への国際協力を行い、経済と社会の発展を目的に活動する機関です。
JICA公式ページはこちら

国民生活センター

消費者庁所管の中期目標管理法人です。消費者被害の防止や相談業務により裁判外紛争解決手続きを行っています。
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国立病院機構

厚生労働省所管の中目標管理法人で、全国143の国立病院のネットワークを持つ医療グループです。高い水準の医療技術のほか、民間では対応が難しい病気のセーフティネット医療の提供を行っています。
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造幣局

財務省所管の行政執行法人です。貨幣の製造をはじめ、技術研究や製品証明などを行っています。
造幣局公式ページはこちら

都市再生機構(UR)

国土交通省所管の中期管理法人です。都市の再生・発展と国民生活の向上を目的として、大都市や地方中心都市における市街地の整備改善、賃貸住宅の供給支援、UR賃貸住宅の管理などを行っています。
UR公式ページはこちら

日本貿易振興機構(JETRO)

経済産業省所管の中期目標管理法人です。外国企業の誘致や農林水産物・食品の輸出、中堅・中小企業等の海外展開支援などを行うことで、日本の貿易振興や経済基盤を強化する取り組みを行っています。
JETRO公式ページはこちら

民間企業や公務員との待遇の違いは?

独立行政法人の待遇はどのようになっているのでしょうか。民間企業や公務員との違いをみてみましょう。

給与水準

独立行政法人の給与は「独立行政法人通則法」の定めにより、国家公務員と民間企業それぞれの事情を考慮して決定されます。そして基本的には、国家公務員の給与を定める「一般職の職員の給与に関する法律」に準じた給与水準になりますので、民間企業の平均よりも高い水準になります。

2016年の平均給与を職種別にみると、看護師「519万円」、事務・技術職員「686万円」、研究職員「910万円」、医師「1403万円」となっており、2016年のサラリーマン男性の平均年収が521万円ですので、看護師を除いて民間企業よりも高い平均年収となっています。

参考:
e-Gov法令検索「独立行政法人通則法」および「一般職の職員の給与に関する法律
総務省「独立行政法人の役職員の給与水準等の公表
国税庁「平成28年分民間給与実態統計調査結果について

福利厚生

福利厚生は機関によってやや異なりますが、こちらも公務員に準じているため、基本的に民間よりも好待遇です。たとえば、国立病院機構では住居手当や扶養手当などの手当てが充実しているほか、育休について、民間では一般的に子どもが1歳になるまでに対し、国立病院機構では3歳まで取得可能です。さらに、院内保育を完備しているところも多く、民間の病院と比較して「デメリットがほとんどない」といわれています。

副業の可否

副業については、国家公務員の身分にあたる行政執行法人はもちろん禁止です。その他、中期管理目標法人、国立研究開発法人の職員は民間人となるため、法律上、副業を禁止する規定はありません。ただし、役員の副業については、独立行政法人通則法51条により原則禁止とされています。

仕事のハードさ

公務員に近い存在でもある独立行政法人。仕事の忙しさは、勤務する機関や部署によってさまざまです。世間一般に「公務員は定時帰り」というイメージもありますが、中には残業が避けられない繁忙部署も存在するでしょう。ただし、転職サイト上の評判をみると、民間企業に比べて法令順守の意識が高いため、過度な残業が重なるような部署は比較的少ないといえます。

国民生活センターや国立病院機構の病院は女性従業員が多く、定時帰りできるという声も多くあるようです。国際協力機構は業務の性質上、国内外の転勤、出張が多くなりますので、勤務地が安定しないという点では少し特殊かもしれません。

職場の雰囲気

代表的な独立行政法人の評判をみると、どの機関においても公務員の働き方に準じているためか「女性が働きやすく」、「希望すれば休みもとれる」という意見が非常に多いです。法人でありながらも国の監視の目が近い位置づけにありますので、民間のブラック企業のような存在は考えにくいでしょう。

ただ、求職者雇用支援機構では雇用支援に関する業務が思った以上に多く、一人当たりの負担が大きいといった意見もありました。ですが、整備された研修制度よって、障害者雇用などに関する幅広い知識やスキルが身につくため、成長できる環境にあるようです。

独立行政法人の正規職員になるには

独立行政法人の正規職員になるには、法人ごとに行われている採用試験に応募、合格することが必要です。職種としては、医師や看護師といった専門職のほか、研究職、事務職、技術職があり、職種ごとに採用が行われるケースが大部分で、それぞれ応募資格などは異なります。また、採用後の身分が国家公務員となる行政執行法人か、ならないその他の独立行政法人であるかにかかわらず、応募条件として国家公務員試験への合格が求められる独立行政法人もあるので注意が必要です。

一方、独自の試験を課する例もあり、その内容も多彩です。まずは、転職を考えている独立行政法人の採用案内を確認しておきましょう。採用ステップとしては、書類選考後数回の面接という流れで、民間と大きな差はありません。

第二新卒として新卒採用を考えている場合には、応募可能年齢についても見ておかなければなりません。民間企業と同様に、採用時年齢が26歳以下であることが条件の場合が多いです。中途採用の募集は、独占資格や専門技術が必要な一部の職種を除きあまり多くありません。

まとめ

独立行政法人は募集数は少ないものの、第二新卒からの転職にも門戸が広がっています。公共性の高い仕事ですので、社会貢献をしたいという使命感のある人に向いている転職先です。幅広い職種の法人がありますのでチェックしてみましょう。


Rebe career 編集部

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