持ち株会社が企業の経営を支える?持ち株会社のメリット・デメリット
2018年2月28日 Posted by 編集部

誰でも一度は「◯◯ホールディングス」という名のつく会社名を聞いたことがあるのではないでしょうか。一般的には持ち株会社と言われており、親会社の下に成り立つ会社のことをさします。持ち株会社とは具体的にどんな会社で、どんなメリットがあるのか見ていきたいと思います。
よく聞く「◯◯ホールディングス」って一体どういう意味?
そもそも持ち株会社とは?
持ち株会社とは、グループ内の株式を保有する会社のことを言います。冒頭で触れた「◯◯ホールディングス」というのがこれにあたります。
たとえばT社の運営するグループ企業が複数あったとして、そのうちのひとつを「◯◯ホールディングス株式会社」とするのが持ち株会社。つまり、ホールディングスを親会社として、それ以外のグループ会社は親会社の傘下に入るということです。
1997年の独占禁止法改訂によって持株会社を作ることが解禁されて以降、「◯◯ホールディングス」と名のつく持ち株会社は右肩上がりで増えています。
この持ち株会社を設立する目的については後ほど詳しく紹介しますが、採用枠を広げたり、事業ごとのリスクを分散させるといったメリットがあるようです。
持ち株会社には3種類の形がある
事業持ち株会社
まずひとつめが、自ら事業をおこなう事業持ち株会社。自らが事業活動を営みつつも、ほかの子会社を支配しているのが特徴です。たとえば、銀行が系列会社の自動車会社の株を持っているという状況を指します。
この形態は以前からも認められていて、日本経済における通常の株式の保有スタイルと言えるでしょう。
事業持ち株会社の例
- 富士通株式会社
- 株式会社KADOKAWA
純粋持ち株会社
「◯◯ホールディングス」「△△グループ本社」と呼ぶケースです。この「純粋持ち株会社」は、グループ内のほかの会社の株式を持っている、グループ全体の中核となる会社のことを指します。
事業持ち株会社と違って、ほかの企業を支配することを主な業務とています。自らが製造や販売などの事業をおこなうことはありません。
純粋持ち株会社の例
- セブン&アイ・ホールディングス
- 大塚ホールディングス
金融持ち株会社
最後に紹介する「金融持ち株会社」は、自ら実質的な事業活動をおこなうことはなく、銀行、証券会社、保険会社などの金融機関の株主となって、グループ内の各社を子会社として管理する会社ことを指します。
金融持ち株会社の例
- 三井住友フィナンシャルグループ
- りそなホールディングス
持ち株会社のデメリット
親会社との連携不足が起きて間に溝ができがち
ホールディングスの形態をとっている場合、裁量権のほとんどが親会社にすべて委ねられています。事業内容をはじめ、カルチャー、職場の雰囲気なども持ち株会社ごとで違うため、親会社との連携不足やミスマッチが生まれやすいというデメリットがあるようです。
持ち株会社が下した方針が事業会社にとっては正しい判断であったとしても、ほかの事業会社にとっては必ずしも良い結果であるとは限りません。次第に親会社との間に歪みが生じたり溝ができたりして、関係がギクシャクしてしまうこともあるのです。
労働条件の交渉先が分かりにくい
雇用契約は持ち株会社である「◯◯ホールディングス株式会社」であっても、入社後に子会社に出港となるケースも多くあります。そのため、有給休暇の取得可能な日数、育児休暇の申請方法、残業時間の有無、昇給といった労働条件についてを誰に確認すればいいのか、あるいは誰に交渉をすればいいのかわかりづらい、ということがあります。
冠婚葬祭などで会社を休むときも、さまざまな部署をたらい回しにされてしまうことも。持ち株会社で働く社員にとっての大きな不安要素のひとつと言えるでしょう。
持ち株会社を設立するメリット
意思決定がスピーディー
裁量権が親会社にあったとしても、日々の細かい意思決定は傘下にある子会社が行います。ホールディングス化で事業ごとの子会社となることで、迅速な意思決定が行えるようになります。さらに、意思決定がスムーズになることで、組織全体の業務の効率がアップし、会社の運営も滞りなくおこなうことができます。
それぞれの事業に応じた採用や人事配置が可能
親会社が同じでも、傘下となる会社ごとに事業内容がまったく異なるため、必要ポジションに応じた柔軟な採用や人事配置が可能になります。
また、もし「製造販売の部署だと聞いて入社したのに、配属先は総務だった」「思っていた業務内容と違う」というミスマッチが起きてしまった場合でも、傘下の会社のポジションで空きがあれば、すぐにでも異動が叶えられることもあります。
このように、さまざまな状況に応じた人事配置ができることにより定着率アップが見込めることも、持ち株会社ならではの強みと言えるでしょう。
入りたい会社の事業形態をきちんと確認しよう
物事に裏と表があるように、持ち株会社にもメリットとデメリットが存在します。持ち株会社は子会社の経営を管理することで、子会社それぞれの役割を明確にし、業績の効率化をはかっているのではないでしょうか。
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