ワーカホリックとは?−自分はワーカホリックだと笑って答える人に伝えたい3つのメッセージ
2018年3月7日 Posted by 編集部

自分がワーカホリックだと思っている方は少なくないのではないでしょうか?ワーカホリックの意味やワーカホリックになる原因をご紹介し、あなたが無意識にワーカホリックにならないためのメッセージや、ワーカホリックの状態を軽減する方法をご紹介します。
ワーカホリックとは?
ワーカホリックの意味
ワーカホリックとは、仕事中毒という意味の造語です。語源はWork(仕事)とAlcoholic(アルコール中毒)をかけ合わせており、アルコールのようにやめられない存在として、仕事が頭から離れない人を指します。
ワーカホリックは「働きすぎ」という状態を指しますが、「私、ワーカホリックなんですよ」と自らの特徴として表現する人もおり、日本のビジネスパーソン同士ではよく耳にする言葉でしょう。
ワーカホリックと日本の働き方
国内全就業者の年間平均労働時間(2016年)は、各国ランキングの中で22位です。先進国内ではアメリカには劣るもののフランスやドイツ、イギリスなどと比較すると長時間労働で、かつGDPを比較するとどの先進国よりも生産性が低いことがわかります。
長時間労働と低生産がかけ合わさる日本の働き方は、成果をあげるためにより長く働かなければならないという悪循環をもたらしています。結果、ワーカホリックに属する働き方が恒常化している職場が珍しくありません。こうした日本の環境は、比較的ワーカホリックになりやすい状態と言えるでしょう。
どうしてワーカホリックになるの?
仕事が本当に好きで没頭しているなら問題ありません。しかし、ワーカホリックになる原因のほとんどは、仕事以外に潜んでいます。
たとえば、自分に自信のないまま成人した人は、仕事の実績を評価されることで自信をつけようとするでしょう。あるいは、プライベートでうまくいかない人間関係や環境がある場合、“忙しすぎるから”と思い込めば自分を責めずに済みます。
仕事中毒になっている時、中毒になることで見たくない何かを抱えていることがほとんどです。仕事をたくさんすることで責める人は誰もいません。この本質が、ワーカホリックをこじらせる原因になります。
ワーカホリックの特徴
休み方がわからない
ワーカホリックの人は休まない傾向があります。休日出勤や早朝出勤、深夜残業などが苦にならないのです。食事中に仕事のメールを見ている、休日の予定を変更してでも仕事を優先するなどの特徴も見られます。
ワーカホリックの人は“休み方がわからない”という表現をよく使います。休んで何をすれば良いのか、どうしたら仕事以外のことを考えられるのかわからないのです。
仕事以外をないがしろにする
ワーカホリックになると家族や友人などプライベートの人間関係が疎遠になる傾向があります。仕事を休まないため、プライベートの予定を立てられないことはもちろん、優先順位が低いことを露骨にあらわしてしまうからです。
趣味がなくなることもその結果です。こうした要因から仕事に関わっていないことすべてが、ワーカホリックの人から離れてしまいます。
モチベーションは高いが生産性は低い
ワーカホリックの人は、喜々として(あるいは嫌がりつつも断らない)仕事を続けます。仕事が生きがいだと断言する人も多く、仕事への熱意は感じられます。
一方、誰よりも長く仕事をした結果、誰よりも実績を残しているのかというと、そうではない場合が一般的です。人間の集中力には限界がありますし、仕事を短時間で効率よく終わらせることが大切だと考える人には生産性の点において敵わないからです。
ワーカホリックの人に伝えたい3つのメッセージ
あなたが好きなのは仕事?仕事をしている自分?
ワーカホリックの人は仕事が好きだと勘違いしている場合があります。本当は仕事をしている時の自分が、していない時の自分よりはまだ評価できるから、その状態を長く引き延ばそうとしていませんか?
もしもあなたが“仕事をしていない自分”を“仕事をしている自分”と同じように好きだと言えるならば、あなたはワーカホリックではないのかもしれません。
ワーカホリックという言葉に甘えていませんか?
ワーカホリックという言葉は日本で一般化し、働き過ぎの人を簡潔に定義しました。しかし、本来であれば“働き過ぎ”の状態は心身ともに摩耗するもので、出来る限り避けるべきです。
ワーカホリックだと思っているあなたは、ワーカホリックという馴染んだ言葉が存在していることで、思うままに働き続けても良い気がしていませんか?
あなたの働き方を他者から見たらどう見えますか?
あなた自身は、「がんばって仕事をしているのだから構わないで」と思っているかもしれません。しかし、他者から見てあなたの働き方はどのように見えるでしょうか?
毎日休まず働いている人は、評価に値しますが、結果を信頼できるでしょうか。過労の末にミスは続いていませんか。あなたを気遣い「休め」と言っている人はいませんか?
仕事はあなたが満足するためにあるのではありません。他者から見てあなたが心配な状態なら、それは是正するべきでしょう。
ワーカホリックに効く3つの治療方法
“何も考えない5分間”をルーティンワークにする
働き続けることが日常化したあなたが休むことは、すぐには難しいでしょう。まずは5分間だけ、次に何も考えない時間を1日1回は作ってみてください。頭をクリアにする練習は、次第にあなたの心に余裕を作るはずです。
“仕事をしない私”をキャラクター化する
ワーカホリックの人が抱える潜在意識には、仕事をしない自分への嫌悪感があります。真正面から向き合うのが難しいならば、キャラクター化してみましょう。
「ベッドから出られない」、「お酒を呑みすぎる」、「掃除ができない」……並べてみると、コミカルですね。愛すべきダメなキャラクターとして、仕事をしないあなたを笑ってあげてみてください。
1日1つ何かをやらない習慣を作る
ワーカホリックの自覚がある方は、仕事をしていて完璧だと思えた試しがないでしょう。いつだって何か“やるべきなのにできなかった”ものを残して反省しています。
1日1つ、“できなかった”のではなく“やらなかった”ことを作ってください。あなたが主体的にやらないと決めることが大切です。その数を少しずつ増やせば、仕事は自然と減っていきます。
“仕事中毒”でなく“仕事好き”でいるために
仕事を好きなことは素晴らしいことです。わたしたちは生きていくために働くことが必要ですから、それを楽しめるに越したことはないでしょう。
しかし、愛するものが他に見つからないこと、自分に自信が持てないことなどを仕事で満たそうとすることや、仕事をしている自分に依存していくことは健康的ではありません。
あなたの生き方を豊かにするための働き方を、自分自身で作り上げていきましょう。そのプロセスでワーカホリックが正しい働き方なのかどうか、あなたのなかで考えてみてください。