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新薬開発に欠かせないCRA!CRAの役割や年収、活躍の場を解説

 2018年3月14日  Posted by  編集部


新薬の開発には欠かせない職種であるCRA。どういった職種なのか、ご存知ではない方も多いのではないでしょうか。今回はCRAがどのような仕事をしているのか、職場や年収、キャリアアップなど、CRAのことについてご紹介します!

そもそもCRAってなに?

1.CRAとは何か?

あまり聞きなれない職種ですが、CRAは医療系職種の1つです。正式名称は「Clinical Research Associate」と言い、臨床開発モニターとも呼ばれます。主な業務内容は、製薬会社などの「治験(臨床開発試験)」が適切に行われているか監視・チェックすることです。CRAの仕事は、治験の開始から終了まで、医師、看護師、CRC(Clinical Research Coordinator)など多く職種とのコミュニケーションを取る必要性があります。治験の進行状況を正確に把握して、スムーズに進行させていくことができるかどうかは、CRAの手腕にかかっています。

2.CRAが関わる新薬開発の工程とは?

1.基礎研究 新薬開発の基本でありスタートである!
新薬の開発を行うにあたって、まず病気を治療する効果のある物質は何か? を見つけたり、その物質を作り出さなければなりません。基礎研究はこれらの薬の元になる物質を見つけ出したり作り出す研究になります。ここがなければそもそも新薬を作り出すことはできないので、基礎研究こそが新薬開発のスタート地点とも言えるでしょう。

2.非臨床試験 臨床試験の前段階
基礎研究のあと、すぐに治験(臨床試験)には入りません。医薬品の研究開発ではラットなどの動物を用いて、基礎研究で見つけた・作り出された物質が医薬品として有用性・安全性があるかを試す非臨床実験が行われます。非臨床試験で有用性や安全性が科学的なデータとして実証されたものだけが、次の段階である治験(臨床試験)に進むことができるのです。

3.治験(臨床試験) いよいよCRAの出番!
非臨床試験を経て新薬の有用性や安全性が動物実験で確認ができれば、いよいよ治験(臨床実験)に進みます。病院などの臨床現場にて患者(被験者)に対して新薬を投薬し、その有用性や安全性を確認します。薬によっても多少違いはありますが、治験は3段階にわたり約2〜3年程度の期間で実施するのが一般的な流れとなります。

第一相 健全な成人を対象。主に安全性を確認。
第二相 少数の患者を対象。用量・用法を確認。
第三相 より多くの患者を対象。実際の治療に近い形で効能と安全性を確認。

治験実施が決定後、CRAは治験を実施する医療機関の適格性評価や、治験責任医師を選択します。治験実施計画書に対して医療機関側の合意を得る、モニタリングスケジュールを確認するなど、治験に関わる準備が整ったら治験を監視・チェックする業務の開始です。

4.承認申請 ついに製造・販売の段階へ
長きに渡る臨床実験を経て、ついに製造・販売……となるのですが、実は製造・販売をするためには、厚生労働省での審査を通らなければなりません。新医薬品に係る承認審査の標準的プロセスにおけるタイムラインによると、通常品目でも承認まで約12ヶ月、つまり1年近くの時間がかかります。

実際に私たちが薬を使うようになるまで、長い時間と多くの実験・実証が繰り返されているのですね。

CRAが新薬開発に必要なわけって?その存在意義とは

1.薬の安全性を支える重要な職種

危険性をはらんだ薬を世に出さないことも、CRAが治験(臨床試験)のチェックする目的の1つです。

1998年の薬害エイズ事件を受け、治験(臨床試験)に関する業務はそれまでと比較し、多くなりました。また、2010年前後以降は外資系製薬会社の売上を担ってきた大型薬が特許切れを迎えたことで、新薬の開発が活発化していることもあり、治験(臨床試験)のニーズはさらに高まりつつあります。

実際に、新薬が人体へどの程度影響するかを調べるのは製薬会社の各専門職ですが、それには治験の結果を正確かつ円滑に伝えるCRAの存在が欠かせません。

2.完成した新薬をいち早く世に出すことこそCRAの存在意義

長きに渡る基礎研究や臨床実験を経て完成した新薬を、いち早く世に送り出すことです。研究でどんなに良い効果がある新薬が開発されても、実際にどんな病気へどんな効果があるのか、人体への影響や安全性がわからないと、医療現場で患者に新薬を用いることはできません。

CRAが適切に治験(臨床実験)の監視・チェックするからこそ、新薬がいち早く世の中で使われるようになると言っても過言ではないのです。

3.「ドラッグラグ」の解消にもCRAが貢献している

CRAは、日本では「ドラッグラグ」の解消にも大変貢献しています。「ドラッグラグ」とは、新薬が厚生労働省に承認されて治療に用いられるようになるまでに長く時間がかかってしまう状態のことを指します。かつて日本では、海外で標準的に使用されている医薬品が、国内では承認されておらず使用ができない状態が続いていました。

近年はCRAが治験(臨床実験)進行に大きく貢献していることで、新薬の完成から承認までの期間が短縮しています。また、世界同時規格で治験を推し進めるグローバル治験(国際共同治験)を行うことも増えており、国内のCRAの活躍がドラッグラグの解消に貢献しています。

こんなところで活躍!CRAが活躍している職場とは?

CRAが、新薬の開発や世に送り出す重要な職種であることが、お分りいただけたでしょうか。ではCRAは実際にはどのような職場で活躍しているのでしょうか?

1.年収はいいけど意外と不安定?製薬会社のCRA

CRAの職場としてまず挙げられるのが、製薬会社です。日本の製薬会社のみならず外資系製薬会社の日本法人もCRAを雇用しています。製薬会社のCRAは会社の都合により、治験業務だけでなく研究・販売などの治験以外の業務にも携わる場合があります。治験の監視・チェック業務は数ある業務の一部という位置づけであり、それ以外の業務に携わる時間が多くなるのが製薬会社のCRAです。ですが、新薬の臨床開発全体に携われる機会があるため、医薬品の開発に深く携われるのも特徴的です。

さらに、製薬会社のCRAの利点は、福利厚生をはじめとする待遇が良いことが挙げられるでしょう。大手製薬会社の年収は1000万円近くになることもあり、その他住宅手当などの福利厚生も充実しています。反面、製薬会社のCRAの雇用は決して安定しているとは言い難いです。製薬会社は開発競争が激しくなったり薬の特許が切れて業績が低迷すると、新薬を開発するペースが鈍くなるため臨床開発の部署が縮小される場合があります。その結果、製薬会社のCRAは治験以外の部署に配置転換が行われたり、最悪の場合リストラされる可能性があります。

しかし、製薬会社に勤めていれば、自社が開発している新薬への愛着が湧きやすく、関わった新薬が世の中に出される時には大きな喜びを感じられます。自社の新薬が世の中の役に立っている実感があることがやりがいとも言えるでしょう。

2.幅広い領域に携われる!CROのCRA

他方、CRAが活躍できるもう1つの職場がCROです。CROとは「Contract Research Organization」の略称で、製薬会社の治験(臨床実験)を受託・代行する専門企業のことです。CROには、働き方が「受託型」と「派遣型」の2種類あります。

受託型CRO
製薬会社から治験業務の全てを受託し、CROが中心となって治験(臨床試験)を代行。
大半のCROは受託型の事業を展開。派遣型CRO
製薬会社で実施される治験(臨床試験)に、必要な人数だけCRAを派遣。
一部のCROが派遣型専門で事業を展開する他、受託型のCROのごく一部に派遣型も展開している企業がある。

製薬会社のCRAが臨床開発全体に携わっているのに対して、CROのCRAは医薬品の臨床開発業務のみを実施しています。そのため、CROのCRAは治験の監視・チェック業務が主な業務となるため、臨床開発以外の業務に携わる機会は少なくなります。

CROはさまざまな製薬会社の治験業務を行っているため、自社製品や自社の得意な分野の薬品開発を行なっている製薬会社のCRAよりも、幅広い領域の開発業務に携われます。CROは毎年10%以上の高い成長率を維持している会社も珍しくない成長業界です。そのため、CROのCRAは、さまざまな領域での経験を積んで出世できるチャンスが大きいと言えます。

気になるCRAの年収や将来性は?

社会的な意義のある仕事ができそうなCRAですが、仕事にするなら気になるのはその年収や将来性ですよね。最後にCRAが一体どのくらい年収をもらっているのか、どのようにキャリアアップしていけるのかをご紹介します。

1.基本的には高年収!CRAの平均年収とは?

中途採用でCRAに就く人の初年度年収は、各種手当も含めて400~500万円前半程度の人が多いようです。新卒採用の場合だと350〜450万円程度になるようです。ほとんどの場合、初任給は一律で、入社後に実力と実績に応じて昇給していくのがスタンダードなかたちのようです。年齢は多少考慮される可能性はありますが、前職の職種よる差はほとんどありません。

製薬業界の転職支援Answersの調査によれば、20代後半で平均年収は500万円前後となり、その後順調に昇給をしていくと40代以上では800万円前後が相場となります。DODAの「平均年収ランキング2017 年齢別」によれば20代の平均年収は346万円、40代だと541万円となっていることからCRAの平均年収がいかに高いかがお分かりいただけるかと思います。

2.製薬会社とCROの年収の違いは……?

では、CRAの職場である製薬会社とCROでは給料にどのような違いがあるのでしょうか?

まず製薬会社ですが前述したとおり、基本的に高待遇です。年齢別の平均年収は日系企業で働く20代後半で510万円、40代以上で799万円となり、企業の規模に比例して給与水準は高くなる傾向にあります。つまり大手製薬会社の方が、当然給料が高いということですね。日系企業は住宅手当などが手厚い分、外資系企業と差分が少なくなることから日系企業・外資企業であまり違いはありません。

一方CROですが、外資系企業の方が日系よりも年収水準が高い傾向にあります。年齢別の平均年収は日系企業の20代後半で469万円なのに対し、外資系では533万円です。40代以上になると日系企業で728万円、外資系で792万円になります。製薬会社と違って、企業規模と年収水準の関連性はほとんどありません。CROは、グレードやポジションが細かく設定されているところがほとんどのため、実績や成果をあげれば若いうちに昇格・昇給できる制度が整っています。平均年収は製薬会社より低めですが、「成果を出せばポジションや年収がついてくるところが合うかも!」という人はCROで実績を残せるよう頑張るのも良いでしょう。

3.CRAの将来性やキャリアの描き方は?

社会的にも意義のあることをしながら高年収が期待できるCRAの仕事ですが、製薬会社の臨床開発部門が縮小の傾向にあることを受けて、製薬会社にこだわらずにCRAとしてのキャリア形成を考えて、転職先を検討する方が増えているようです。

特にCROでは、経験年数に応じて「英語力」「国際共同治験の経験」「マネジメント経験」「年齢に見合った経験」など、製薬会社と変わらないレベルのスキルが求められるようです。実際に現場でも製薬会社とCROが対等なパートナーとして協業する流れがあり、このような協業の重要性を認識しておく必要があります。

また、製薬会社からCROへの転職を希望する場合は「製薬会社での経験があります」というだけではなく、これまでの経験や知識をCROでどう活かせるのか、ということまで伝えられないと内定をもらうのは厳しい状況です。製薬会社とCRO、どちらへ就職・転職するにしても、前職で得た知識や経験を次の仕事でどう活かせるかは考えなければ、キャリアアップしていくのは難しくなっているようです。

CRAは意義を持って知識や経験を積み、年収もキャリアもアップしていける!

CRAという職種が新薬の開発にどのように関わっているのか、お分かりいただけたでしょうか。知識や経験を積むことで確実にキャリアと年収をアップしていける職種です。医療系職種で就職・転職を考えられている方はぜひ一度検討してみてください!


Rebe career 編集部

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