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一部上場企業ってどんな企業?働くメリットや貰える給与を解説!

 2018年3月16日  Posted by  編集部


「一部上場企業」という言葉をご存知の方は多いと思います。しかし、この「一部上場企業」とは具体的にどんな企業なのか? と聞かれると、詳しく説明できる方はあまりいないのではないでしょうか? 今回はそんな「一部上場企業」の概要や、給与の上がり方、勤めることのメリットやその社会的信用力などについて解説していきます!

一部上場企業とは何か

東証一部の上場審査基準・条件

東京証券取引所(以下、東証)の市場一部銘柄となるための要件は数多くありますが、主なものを列挙すると以下の通りです。

  • 株主数は2,200人以上
  • 流通株数2万単位以上。流通比率が上場株券等の35%以上。
  • 時価総額(発行済み株式総数×株価)が250億円以上。
  • 連結純資産(総資産から総負債を引いた金額)が10億円以上。
  • 最近2年間の利益の総額が5億円以上または、時価総額が500億円以上。
  • 有価証券報告書等に「虚偽表示」がないことや、監査法人の「不適正意見等」がないこと。

などがあります。

一部上場企業の数・日本全国の会社数の中での割合

2018年2月15日時点の東証一部上場銘柄数は、2,066社。東証二部やマザーズ、JASDAQ銘柄など、他の上場銘柄なども合わせると上場企業数は3,599社となり、東証上場企業内の一部上場銘柄の割合が、57.4%と大半を占めていることが分かります。

また、中小企業庁が平成29年4月に出した「2017年版中小企業白書 概要」によると、大企業と中小企業を合わせた日本全国の企業数は382万社。つまり、東証一部上場企業2,066社が全国のすべての企業の内に占める割合はなんと、0.054%に過ぎないということです。全体の母集団から見た東証一部上場企業の数は、相対的にかなり少ないことが分かります。

一部上場企業は増えている?減っている?

次に、一部上場企業の推移を見てみましょう。日本取引所グループがリリースしている資料「上場会社数の推移」で1990年以降のデータを抜粋しました。

1990年末⇒1,191社

2000年末⇒1,447社

2010年末⇒1,670社

2017年末⇒2,062社

減少に転じた年もありますが、着実に増えていることが分かります。ちなみに、1990年末から2017年末までの27年間の増加率はなんと73.1%。当時の東証一部企業の時価総額は、バブル絶頂期だった1989年末の590兆9,087億円を超えて、2017年末は674兆1,991億円まで成長しました。

東証一部でなくても「上場企業」はたくさんある!?株式市場の種類

東証には「一部」以外にも、実は3つの株式市場が存在しています。「一部上場」と言えばいわゆる「東証一部」に上場している企業ですが、その他にも「上場企業」は存在しているのです。東証にある4つの市場について、それぞれを詳しくご紹介していきます。

東証一部

東京証券取引所のメインとなる市場である「東証一部」と「東証二部」のうち、東証一部に上場できるのは厳しい審査基準を突破した企業のみです。そのため、国内外を代表する大企業が名を連ねている市場とも言えます。海外からの資金流入も多く、株式売買の活発さにおいても世界でトップクラスと言われる市場です。一部だけですが、下記のような企業が東証一部にいます。

味の素
LINE
ゆうちょ銀行
AOKIホールディングス
旭化成
しまむら
久光製薬
コロプラ
テイクアンドギヴ・ニーズ
小田急電鉄
イオン
三越伊勢丹ホールディングス
WOWOW
西日本旅客鉄道
サカイ引越センター
住友化学
レオパレス21

ほんの一部を挙げただけでも「聞いたことがあるな」という企業が多くあると思います。その他、一部上場企業を知りたい方は下記からご参考いただければと思います。

(参考:「東証上場銘柄一覧|東京証券取引所」

東証二部

東証二部には、中堅クラスの企業が多く名を連ねています。老舗企業が多い印象もあります。一部と比べて、株主数や流通株式数、企業の時価総額などの基準が厳しくないため、比較的上場がしやすいようです。一部だけ挙げると、下記のような企業が東証二部にいます。

ブルボン
はごろもフーズ
バイク王&カンパニー
朝日印刷
サトウ食品工業
ヱスビー食品
タビオ
ツヴァイ
まんだらけ
サニーサイドアップ

東証二部へ上場するには、投資家に40万株以上を購入してもらう必要があります。一方、東証一部に上場するにはそれが200万株と5倍に増えます。その他基準を見ても、東証二部から東証一部へ上場するのは、そう簡単なことではないのです。

マザーズ

「東証マザーズ」とも呼ばれる市場で、新興企業が多く上場しており、東証一部への昇格を視野に入れた成長企業向けの株式市場となっています。「これから成長していきたい!」というベンチャー企業が多く上場しているため、上場の審査基準は東証二部と比較しても緩和されています。

下記はマザーズに上場している企業の一部です。

アドウェイズ
AppBank
ソウルドアウト
ライフネット生命保険
アトラエ
ウォンテッドリー
サマンサタバサジャパンリミテッド
弁護士ドットコム
マネーフォワード
メルカリ
クラウドワークス
ピクスタ

マザーズはこれから大企業になる可能性のある企業が多く、株価が急騰する企業が多いのも市場の特徴です。

ジャスダック(JASDAQ)

ジャスダックもマザーズ同様にベンチャー企業向けの市場ですが、市場が「スタンダード」と「グロース」の2つの市場に分かれるという点でマザースと異なっています。ジャスダックは市場としての歴史を50年以上持っており、合併や統合を経たのちに現在は東証にある市場の1つとなっています。そのため、何十年も前からジャスダックに上場している、という企業も存在しています。下記がジャスダックに上場している企業の一部です。

ジャスダック(スタンダード)
クルーズ
湖池屋
サーティワンアイスクリーム
滝沢ハム
柿安本店
ヒューマンホールディングス
オールアバウト
イオン九州
日本マクドナルドホールディングス
大戸屋ホールディングス
ヴィレッジヴァンガードコーポレーション

ジャスダック(グロース)
地域新聞社
ケアサービス
ジェイテック
イデアインターナショナル
フィスコ
免疫生物研究所
ぱど

「スタンダード」のほうが「グロース」よりも上場の審査基準が厳しいです。ベンチャー向けの市場でありながら、歴史のある企業も上場しているというのがマザーズとの大きな違いと言えます。

一部上場企業は給与が高い?

上場企業の平均年収<最新+過去5年の推移>

東京商工リサーチが2018年5月21日に発表した「2017年決算 上場2,681社の平均年間給与 調査」によると、上場企業の平均給与はここ5年間(2013~2017年)ほど上がり続けています。

2013年度⇒571.7万円(+0.2%)

2014年度⇒579.1万円(+1.3%)

2015年度⇒589.2万円(+1.7%)

2016年度⇒595.3万円(+1.0%)

2017年度⇒599.1万円(+0.6%)

上がり続けている理由としては、米国や中国などの世界的な経済大国の好景気や、国内における金融緩和の影響が大きいと言われています。

2015年度の+1.7%の成長率から見ると、最近は少し成長度合いが鈍化してきているようにも見えますが、成熟した日本という国における企業の賃上げ率としては妥当なラインなのかもしれません。

業界別の年収・前年比

前年比で+2.8%と大きく上げたのが、「電気・ガス業」です。東日本大震災の影響で賞与のカットなどが行われていたようですが、徐々に回復が進みここにきて給与・賞与の改善が進んだようです。

他に上げ幅が大きかったのが、「建設業」。東京オリンピック特需などがあり、歴史的な人手不足に喘いでいる業界です。つまり需給のバランスが大きく需要に偏っているために平均給与を押し上げていると見ることができます。

逆に、前年比で平均給与を大きく下げたのが、金融・保険業(▲1.38%)と不動産業(▲0.20%)の2業種です。いずれも2011年以降で初めての減少となっています。金融・保険業はマイナス金利や資金需要の減退なども業績に響いてきているようです。不動産業は都心部の不動産価格などは高騰していますが、高騰しているがゆえに、流動性が低くなり、逆に取引の母集団が減少しているため、不動産業は市況が悪化しているのではないか、と推測されています。

一部上場企業で働くメリット

スケールの大きな仕事があり「やりがい」を得られる

一部上場企業は業界でも最大手と呼ばれる企業が多く、日々の取引や業務は、中小・零細企業と比較するとかなり大きなものとなるのは想像に難くないと思います。

例えば2020年に日本で開催予定の世界的スポーツイベントですが、「ゴールドパートナー」と呼ばれるスポンサー企業は全て一部上場企業です。大きな数字を扱っているという自負、およびやりがい、達成感などは、やはり上場企業で働くことの大きなメリットでしょう。

加えて、上場企業は給料も良いケースが多いので、優秀な人的リソースが集まってきやすい環境にあります。優秀な上司や優秀な先輩、同僚と一緒に仕事をするのは、とても刺激的です。

研修制度完備で、社会人としてスタートを切るのに良い

大手企業は、手厚い研修プログラムが組まれている例が多いです。これは自社のサービスやプロダクトの質を上げるためですが、これらの手厚い研修を受けるビジネスパーソンにも恩恵があります。

2012年に日経キャリアネットの「働きやすい会社ランキングvol.3 社員一人あたり研修費のランキング」によると、社員1人あたりの研修費では、トップに三井物産、2位に武田薬品工業、3位に日本マイクロソフトです。外資系である日本マイクロソフトを除いた2社は一部上場企業でした。また、「働きやすい会社ランキングvol.2 若手応援度ランキング」では、1位の信越化学工業、2位のダイキン工業、3位のキヤノンいずれも一部上場企業です。

一部上場企業で働くことは仕事をしながら、社会人としての基礎を作れる、理想的な環境ということができるでしょう。

信用力とネームバリューで仕事がしやすくなる

なんだかんだ言って、やはり一部上場企業に勤めているというだけで、仕事上のアドバンテージがあります。社会や企業からの「信用力」「ネームバリュー」が高いからです。

食品会社のティーライフ株式会社が東証2部から1部へ上場する際に「市場変更により資金調達力や信用力を高め、さらにM&Aを進める」と考えを示したことがあります。このコメントからも、一部上場企業にあるネームバリューが上がることが期待されることがわかりますね。

加えて、一部上場企業は、社会的な信用力も高く、住宅ローンなどを組む時などにも優遇されることが多いようです。

一部上場企業で働くデメリット

会社の力を自分の力と過信する

一部上場企業で働くデメリットの1つが、自分で挙げた実績が「会社の力」なのか「自分の力」なのかを判別しづらいということです。

上記のメリットでも挙げたように、一部上場企業の信用力とネームバリューは仕事上でアドバンテージがあります。しかしそれが、会社が信用されているからなのか、自分がその仕事を手掛けるだけの実力があると判断されたからなのか、仕事をしている本人にはわかりづらいでしょう。

結果的に「自分はこんな大きな仕事を任されたのだから、ビジネスマンとしての力があるに違いない」と、いざ意気込んで起業や転職活動をしてみても、なかなかうまくいかずに痛い目を見てしまう人もいるようです。

出世がしづらい

2つ目のデメリットは、一部上場企業だと出世がしづらい環境にある可能性が高いことです。理由は簡単で、一部上場企業は社員数の多い大手企業ばかりです。何千名と社員のいる会社の中で、出世をし、役職に就くには厳しい競争を勝ち抜いていく必要があります。

出世していくのは社員の中でも一握りになってしまうため、決裁権や仕事の裁量の大きいことがやりたい人には向いていないと言えるかもしれません。

付き合いで時間を取られる機会が増える

一部上場企業ともなると、取引先の数は膨大です。そこで営業部門などに配属されてしまうと、仕事の付き合いが増える可能性があります。

金曜の夜に接待での飲み会の機会はもちろんのこと、取引先をもてなすために休日にゴルフに行かなくてはならないこともあります(いわゆる接待ですね)。「飲み会が好きではない」「休日に仕事で時間を取られるなんてごめんだ」という考えを持っている人には、なかなか厳しい就業環境と言えるかもしれません。

入社難易度の高い一部上場企業に入れる人の特徴

初対面での印象がいい

採用試験の倍率が何千倍にもなる一部上場企業へ入社できる人の特徴1つ目が、挨拶が上手で初対面での印象がいいことです。

挨拶の重要性については、誰しもが一度は家庭や学校で学んだ経験があるはずです。簡単なことではありますが、これができるかできないかで相手が受ける印象が大きく異なるようです。

さらに、印象の良い人の多くは、自己分析など自己理解がよくできているために、自分の強みを生かしながら挨拶やコミュニケーションができることも高評価に繋がっています。

入りたい企業に大学のOB・OGがいる

入社を希望している企業に自分の出身大学のOBやOGがいることで、採用される可能性が格段に上がります。

日本の就職活動や転職活動において「学歴」は絶対条件ではないですが、実際には学歴フィルターと呼ばれる足切り制度が存在しており、学歴はないよりあったほうが有利と言わざるを得ません。

第二新卒

第二新卒者はには、大きなアドバンテージがあります。一部上場している大手企業でも第二新卒を採用する動きは増えており、企業によっては「違う職種や業界を経験してきた」ということを高く評価してくれる場合もあります。

「あの大手企業が募集をしているけど、業界も職種も自分とは違うから……」と諦めるのではなく、違う業界や職種だからこそ、そこで培った経験やスキルが活きるのではないかと考えて、一部上場企業へ入社するチャンスを掴みましょう。

若いビジネスパーソンにとって、一部上場企業は理想的

一部上場企業とはどのような企業なのか、そして、働くことで受け取れる給与やメリットについてご紹介しました。安定した給与をもらいながら仕事をじっくり覚えていきたい人や大きな仕事をしたい人にとって、一部上場企業は理想的と言えるでしょう。


wakabayasi

wakabayasi

法学部卒業。新卒でSEとして従事。 転職歴2回。1回目が監査法人。2回目は出版社の経理として転職。 退職後、現在はフリーライターや塾講師、証券投資などして生計を立てています。

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