大学中退は履歴書にどう書くべき?企業にマイナス印象を与えない中退理由とは
2018年3月16日 Posted by 編集部

大学を中退した人がいざ就職しようとして履歴書を書き始めると、必ずぶち当たる壁、それが、「中退って履歴書に書いてもいいのか?」というハードルだと思います。
確かに、中退とはいかにも外聞が悪いので、普通に大学を卒業した他の候補者たちと比較すれば、採用試験にパスする可能性は大きく減退するだろう、と考えるのは当然でしょう。
ここではそんな「中退」というマイナス要素をどう払拭するのか。そして評価につなげていくのか、というところを考えてみたいと思います。
大学中退は履歴書に書くべき?書かないとどんなデメリットがある?
大学中退は履歴書に書くべき
まず、大学中退の事実はきちんと履歴書に書くべきです。履歴書は企業に提出した途端に、公的な文書になりますから、事実をあるがまま書かねばならないのです。
就職活動に限らず、その場しのぎの嘘をつくと、往々にして後々、自分の首を絞めるようになるものです。大学中退という事実をあえて履歴書に書かないことのリスクを以下に記します。
高校卒業から空白期間ができてしまう
もし仮に大学を中退して、学生でもない、働いてもいない、空白期間が履歴書にある場合、採用担当者はそこをつっこんでくるはずです。その空白期間をいぶかしく思い、書類選考で落とされる危険性も十分あります。
また、運良く書類選考をパスしたとしても、その空白期間については、間違いなく面接で質問されるでしょう。その際にどう言い逃れるのか考えるのも後ろ向きな努力ですし、嘘に嘘を重ねて良いことは採用面接に限らず何ひとつないでしょう。
学歴詐称と捉えられてしまう
さらに最悪のケースでは、企業に学歴詐称と判断されてしまい、入社後に懲戒解雇となることもあります。実際に学歴詐称が判明したことにより、懲戒解雇となった判例も存在するのです(昭和35年 解雇無効確認等請求事件 )。
ただし、経歴詐称をもって解雇となるわけではなく、詐称状態のまま実際に勤務していたことによって、会社に不利益をもたらした場合などに初めて解雇は認められます。
例えば、履歴書の経歴に注目して特定の業務を任せるつもりで採用したのに、詐称により実際には任せられず、損害が発生した場合。これは民法でいう不法行為にあたり、損害賠償請求されるリスクまであります。
なお、心配されがちな刑法上の私文書偽造に当たるかについては、「文書を作る権限のない人が他人の文書を作った場合」に成立するものですので、ウソの経歴を書いただけでその罪に問われることはありません。
しかし一方で、詐欺罪に当たる可能性はゼロではありませんので、いずれにせよ履歴書で経歴を偽ったり、意図的に一部を伏せるようなことは避けるべきと言えるでしょう。
大学中退は選考で不利になる?
大学中退は学歴としては「高卒」
大学を中退した求職者は、「高卒」扱いになります。中退をした年次によっては、「短大卒」扱いになったり、大学の入学試験に合格した学力を評価して、「大学中退」扱いにしてくれる企業も中にはあるようですが、基本的には大学中退は「高卒」扱いになると考えておいた方がよいでしょう。
中退した理由次第では忍耐がない、努力できない人材と捉えられてしまうことも
たとえば経済的な事由により、中退せざるを得なかったとか、そういう理由での中退ならば、採用担当者からも一定の理解が得られます。しかし中退した理由が「つまらなくて辞めた」というような類ですと、それをもって採用担当者が、「雇ってもつまらないと感じてすぐ辞めてしまうのでは?」と疑義を抱かせてしまうことは想像に難くないでしょう。
中退理由で「忍耐力がない」「継続的な努力ができない」という烙印を押されてしまうのは不利です。
前向きな理由や、やむをえない理由はきちんと伝えると評価がアップ!
それでは、履歴書に書いても評価が減退しない、むしろ評価アップに繋がる可能性もあるような、中退理由の書き方、伝え方を考えていきます。
就職活動に専念するため
例えば、大学にいるよりも社会人として就業する方がメリットがあると考え、就職活動に専念した場合が考えられます。そのときには、学んでいたことと就職の方向性が合致しているなど、理屈が通っていると思わせることが大切です。
面接では「情報系の学科へ通っていたが、システム開発への興味が高まり、ソフトウェア開発の会社で実践的スキルを身につけたいと考えました。よって就職活動に専念するために中退しました」というように行動に一貫性を持たせることを意識しましょう。
他に勉強したいこと、やりたいことができた
その大学に通ってはみたものの、入学前の自分の志向するところと方向性が違っていたので、進路を変更するための中退、と書けばポジティブな印象を与えることができます。しかし、その新たな勉学の進路のためにどんな方向性の努力のリソースを傾けているのかは説明できなくてはいけませんが。
または海外留学、学生起業などによる中退も前向きに感じられていいでしょう。そういうバイタリティのある若者は、たとえ大卒でなくても面白い人材だから欲しい、という企業もある可能性はあります。
学費が支払えなくなってしまった
親の介護や、経済的な事情で中退せざるを得なかった、という説明は中退の理由として納得感は高いと思われます。
日本では低成長時代の影響から、会社員の月収はほぼ増えていないにも関わらず、大学の授業料は上がり続けたことで、世間でもかなり批判されています。よって経済的な理由での中退は十分考えられることです。
病気で通うことができなくなってしまった
健康上の理由で中退した過去があるならばそのまま記載しましょう。履歴書上では中退の事実の下に「病気療養のため退学。現在は完治しており、業務に支障なし」と添えておけば問題ありません。
ただ重要なのは、今では健康状態が回復し、勤務に差しさわりがないことを表現しないといけないことです。例えば、今ではすっかり体調を取り戻し、将来に向けて資格を取得した、または取得に向けて勉強している、などの前向きな活動に取り組んでいる事実があればアピールしやすいでしょう。
大学に通う意味を見いだせなかった
こちらはどうしても前向きな理由がないときの伝え方の一例です。一見、何ら生産的でなく言ってはいけない理由な気がしますが、中退後のアクションと伝え方次第では真っ当な理由になります。つまり、中退後すぐに就職活動に専念した、ボランティア活動に時間を使った、などの次のアクションが伴っていることがポイントです。
実際に「大学中退就職ガイド」にある体験談では「周りは遊んでいる学生ばかりで大学の意味を見出せず、大学卒業という学歴の逃げ道も作りたくなかったので中退した」と面接で話して内定を勝ち取った例もあるようです。ただしあまり強気すぎてもマイナスイメージになりますので注意しましょう。
履歴書は正直に書こう
以上をまとめると、中退の事実は正直に書くのが大前提で、伝え方を工夫するのが吉です。特に「大学がつまらない」から辞めたなどの場合には、いかにポジティブな理由と関連付けられるかがポイント。
そのためには、中退後に人生の目的に向かって行動していることをいかにアピールできるかが大切になりますので、その視点で理由を考えてみるのが良いでしょう。
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