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裁量労働制とは?裁量労働制のメリット・デメリットと将来性

 2018年3月27日  Posted by  編集部

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最近何かと話題の裁量労働制ですが、そもそもどんな制度か知っていますか?制度をきちんと運用すれば労働者にとってメリットの大きい制度ですが、現状では企業側の悪用によりデメリットのほうが多い状況です。裁量労働制が真に労働者のための制度になるにはどんな課題があるのか、考えてみましょう。

裁量労働制とは?

裁量労働制の定義

裁量労働制とは実際の労働時間に関わらず、企業と社員のあいだで定めた労働時間に対する賃金が支払われる制度です。ただし休日出勤や深夜労働については、既定に従って賃金が増額されます。

裁量労働制は全ての業務に適用できるものではありません。設計者や技術者など、法律で定められた業種のみが裁量労働制を選択することができます。

裁量労働制のもと働く際には、企業と労働者のあいだで労使協定を結ぶ必要があり、双方の合意に基づいて取り決められます。労使協定は労働基準監督署に届け出る義務があります。

みなし残業やフレックスタイム制との違い

裁量労働制と勘違いされやすいのが、みなし残業制度です。みなし残業制とは、あらかじめ残業時間を想定して増額した賃金を支払う制度のことを指します。裁量労働制との違いは、同じ固定制でも残業という労働時間外の業務を想定しているか否かです。

また、フレックスタイム制は裁量労働制と同様に自由な労働時間を選ぶことができますが、最終的には実働時間に基づいて賃金を計算するところが裁量労働制と異なります。フレックスタイム制の場合、指定の労働時間以上の業務が発生すればその分賃金は高くなり、逆に少なければ減額されます。

裁量労働制が近年話題になっている理由

裁量労働制の拡大は、「働き方改革」の一部として法案が国会に出されています。効率的な時間配分や、残業削減につながるという観点から取り入れられる予定の裁量労働制ですが、企業側によっては、無報酬の残業を増やしかねないという指摘も出ています。

裁量労働制が労働者にとって有益であるという根拠とされていた厚生労働省の「2013年労働時間等総合実態調査」には、データの不備などがあり、裁量労働制による残業時間の減少については、根拠は明確に示されていないのが現状です。

(参考:「厚労省ずさん調査 異常データ新たに117件」)

裁量労働制のメリット

自由な働き方を実現できる

裁量労働制では出退勤時間の指定がなくなり、自分の裁量で労働時間を決めることができます。与えられたタスクを短時間で処理することができれば、労働時間を短くしつつ、同額の賃金を得ることが可能になるのです。

労働の業種によっては、結果が出るまでのプロセスを時間で正確に把握するのが難しいものがあります。こういった業種について、出退勤時間のみで労働時間を計測するのではなく、結果で定められた賃金を与えることは、合理的であると考えられます。

時間を有効活用することができる

組織で統一された時間に働くことで、余分な時間が発生することも少なくありません。こうしたロスを裁量労働制に切り替えることで有効活用ができるメリットがあります。

たとえば、会議など他者との調整が必要な予定がない日ならば、家族との時間にその日を充てることもできるでしょう。行きたい勉強会やセミナーなどを優先し、終了後の時間を労働時間にすれば、自身の成長を促す機会を失うことはありません。

遅刻と残業の拘束がなくなる

裁量労働制には時間に対する拘束がありません。前日深夜まで対応すべき用事があったならば、次の日は遅く出勤しても良いのです。また、集中力が続く日に何時まで仕事をしても構いません。

遅刻や残業といった概念から解き放たれることで、自分のコンディションやスケジュールに応じて効率よく働けるのが、裁量労働制のメリットです。

裁量労働制のデメリット

残業代が払われない

裁量労働制は残業という概念そのものがないため、残業代が支払われません。もともと想定されていた労働時間より長く働いても、それは自分のスケジューリング力やスキルの責任となり、賃金には反映されないのです。

したがって、もしも企業側から与えられるタスクが常にあなたの労働キャパシティを超えた量で、労働時間が伸び続けたとしても、そこに残業代は支払われません。

チームワークを維持するのが難しい

裁量労働制は、個々のマネージメントに依存したプロジェクト進行が前提となるため、チームワークでの動きにはトラブルが生じやすくなります。同じ時間に働くことによって自然発生するコミュニケーションが欠如することもあり、プロジェクトの全体像を把握するのが難しくなる場合もあります。

完全なスタンドアローン(単独)で成立する業務はほとんどありません。他者のことも意識しながら働くことが前提となるなら、そもそも裁量労働制のメリットは活きてこない可能性もあります。

日本文化での普及には時間がかかる

裁量労働制の導入は、スウェーデンなど労働時間に対する柔軟さが一般化された国では成功事例があります。しかし、日本では顧客への期待に過度に応える性質や、組織内で助け合う文化など、裁量労働制とは相性の悪い企業体質が一般化されています。

日本企業の発展を支えてきたのは、組織一丸となって働く企業文化と、その輪を乱さない一定数以上の労働者の掛け合いです。相反する性質の働き方を導入しても、本来裁量労働制が達成すべき「働き方改革」に通じるものとして活用されるには、長い年月が必要でしょう。

裁量労働制が労働者に良い制度になるために

裁量労働制は現時点での日本の働き方に、良い影響を与えるとは断言できない制度と言えます。一方で、裁量労働制が目指しているゴールを労働者一人ひとりが意識することは、日本で常識と言われてきた働き方を変えていく一助になる可能性があります。

さまざまな制度のもと働く労働者によって企業や国は支えられています。まずは、自分自身が成果を短時間で出すための工夫や努力を重ね、労働時間の課題について真剣に考える習慣をつけることが、労働者にとって有益な裁量労働制の在り方に近づく道標となるでしょう。

 


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