キャリアアップマガジンTOP  >   未来のことは分からない、だから動き続ける。クランボルツの提唱するキャリア理論とは?

未来のことは分からない、だから動き続ける。クランボルツの提唱するキャリア理論とは?

 2018年4月12日  Posted by  編集部


キャリアプランニングの重要性が叫ばれるようになってきた現代。しかし、アメリカのクランボルツ教授が提唱した理論では、将来のキャリアを意図的に決定することは不可能なのだそう。今回はそんなクランボルツの理論の解説を行なっていきます。

キャリアプランをつくることは無駄?クランボルツ理論とは

個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される

クランボルツ理論(計画的偶発性、プランドハプンスタンス)は、スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が提唱した理論です。個人のキャリアのほとんどは予想や計画ができず、偶発的なできごとや出会いによって決定されることを示しています。教授が行なった調査では、社会的に成功した人物のキャリアを分析したところ、その8割が「自分のキャリアは予期していない偶然のものだ」と答えたそうです。

変化の激しい時代に計画したキャリアに固執することは非現実的

従来のキャリア論は「自分自身で設計したキャリアを意図的に積み上げて形成していく」というものが一般的でしたが、最終的なゴールや達成までの道のりは必ずしも明確になるものではありません。むしろ変化の厳しい時代においては、ひとつの計画したキャリアに固執することは非現実的であるとしたのがこの理論です。

「将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎあわせることなどできない」

これは、元アップルCEO・故スティーブ・ジョブズの言葉です。この言葉は「あらかじめ点と点を繋ぐことはできず、できるのは後から繋げることだけ。だから、将来的にそれが繋がると信じてやっていくしかない」といった話に続くのですが、まさにクランボルツ教授の理論を表しています。簡単にいえば、「未来は予想できないので、将来つながりうる点を増やしていくことが重要」ということになりますね。

やっぱり目標は必要!偶発性を計画することはどうして大事なのか

未来にばかり目を向けていては現在のチャンスを逃してしまう

クランボルツ理論は、未来ではなく現在に着目する理論です。未来のことばかり考えていて、現在のチャンスを逃してしまってはもったいない。なぜなら、その未来というものは予想ができないから…という論理になります。5年後や10年後のことはほどほどに考えるとして、ひとまずは現在に得ることができる出会いや出来事をベースにキャリアの可能性を広げていきましょうよ、という主張ですね。

目標=目的地をつくることが推進力になる

しかし偶発性をアテにするとはいえ、クランボルツ教授は「ただ待つこと」を推奨しているわけではありません。矛盾しているようにも見えますが、偶発性は計画することができるのです。そのためには、未来の目標を決めたほうがいい。その目標とは、5年後や10年後の「理想像」、つまり目的地です。「5年後や10年後、仕事がなくなっているかもしれない」などの取り越し苦労をするのではなく、単純に「こうなっていたいなぁ」という理想を立てておき、戦略を考えることが推進力になるのです。

予期しない出来事を呼び込む5つの行動指針

未来の「なんとなくの目的地」が決まったら、クランボルツ教授が提唱する行動指針に沿って行動し始めましょう。この理論においては、とにかく今から動くことが重要です。

  1. 「好奇心」 たえず新しい学習の機会を模索し続けること
  2. 「持続性」 失敗に屈せず、努力し続けること
  3. 「楽観性」 新しい機会は必ず実現する、可能になるとポジティブに考えること
  4. 「柔軟性」 こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変えること
  5. 「冒険心」 結果が不確実でも、リスクを取って行動を起こすこと

(参考:『その幸運は偶然ではないんです!』ジョン・D・クランボルツ、A.S.レヴィン著 花田光世ら訳 ダイヤモンド社 2005)

要するに「チャレンジ精神をもち、たえず行動を起こしていこう」という指針になります。失敗をおそれ、動かない(何もしない)ことが最も恐ろしいというわけです。

小さなことからでOK!まずはルーティンを変えてみることで、予期しない出来事が起こりやすくなる

それでは、なるべく偶発性を発生させ、チャンスを増やしていくにはどうしたら良いのでしょうか。実はそのためには、普段の生活から少しズレたことを実行していくのが効果的なのです。

就業時間の中でリフレッシュする時間を作る

決められた、しなければならない、義務の仕事であるルーティンワークは、歳を重ねるごとに増えていきます。すると、これをこなしているだけで1日が終わってしまうということもあるわけです。日課があるのは悪くないことですが、新しいものが参入するためのスペースがなければ偶発性は通り過ぎていくだけです。そこで、就業時間の中にリフレッシュするための時間を作ることから始めてみましょう。まずは、「ルーティンワークを意図的に休む」ということが重要です。

1日の中でリボーンする時間を作る

続いて、その休みを建設的にしていく準備を始めましょう。時間が取れたら、リボーン(つまり、生まれ変わる)のための時間にするのです。たとえば読書、ボランティア活動、趣味に充ててもいいと思います。とにかく、自分が今まで行ってこなかったこと、捨ててきた可能性を拾い集めるような感覚で行ないましょう。

リスタートするための休暇を取る

人生において仕事が大きな割合を占める方は少なくないと思います(特に日本人に顕著)。しかし、よく言われることですが人生は仕事だけではありません。1日の中で生まれ変わる準備が整ってきたら、次は人生という単位でルーティンから離れてみましょう。研究、留学、移住などのように年単位のスパンでコミットしていくと、人生に大きな影響を及ぼします。そのためにはもちろん、休業しなくてはならないこともあるでしょう。しかし、リスタートのためにはそれくらいの覚悟が必要なのです。

 

「未来のことは誰にも分からない」。よく聞く言葉ですが、まさに現代はそういう時代になっていると感じます。現在の仕事が、5年後や10年後に残っているかは、予知することはできないのです。しかし、そのようなことを心配していたらキリがありません。重要なのは、今この時、動き続けることなのではないでしょうか。


市根井

市根井

1994年生まれ群馬県在住、新卒でいきなりフリーライターになりました。 群馬メディア「gooma」、観光メディア「SPOT」などで記事を書いています。得意分野は地方・フリーランス・WEBなど。 http://gooma.jp

関連する記事

”初めての転職”で不安な方へ。
第二新卒の転職に強いキャリアエージェント

近々相談したい(登録1分)