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完全歩合制ってなに?メリットやデメリットを解説

 2017年12月17日  Posted by  編集部


「完全歩合制」の職種というと、不動産や保険のセールスマン、フリーランスクリエイター、などがあります。

「完全歩合制」のことを「成功報酬賃金」や「インセンティヴ」、「出来高払い制度」と言ったりもします。

「完全歩合制」では給料というよりも、報酬という呼ぶ方がしっくりきます。なぜなら、一般の会社員に支払われる定期給料である、月給とは異なるものだからです。

完全歩合ですから、雇用契約もありません。業務委託契約となります。

企業・会社側としてはその労働者の仕事の成果のみに比例した報酬を支給する就業形態なのです。

また、企業は通常、雇用契約をした被用者を社会保険に加入させるのは必須ですが、業務委託契約では労働者認定はないので、会社側の社会保険に加入できるのは特殊な例を除いてありません。

国民健康保険や、国民年金保険など各種保険には自分で加入手続きをして、かつ労使折半などの労働者特典も受けられないのです。

また、労働基準法27条では、労働時間に応じた最低賃金を保障しなければならないと規定しているのですが、これは飽くまで雇用契約している労働者に適用される法律で、完全歩合の業務委託契約では現状最低賃金は保障されないということも理解しておきましょう。

転職活動の際には、求人情報をよく確認し、完全歩合なのか否かは知った上で、完全歩合が自分に合った働き方なのかどうかよく吟味した上で契約しましょう。

求人を見ていると、「完全歩合制」や「歩合制」と記載されていることがあります。完全歩合制とは、給与制度のひとつです。完全歩合給のメリット・デメリットと注意点を確認しましょう。

成果に合わせて給与が増える!完全歩合制とは

一般的な仕事は、毎月決まった月給に残業代や休日出勤分が加算されて支払われますが、企業の給与の支払い方法の中には完全歩合制といわれるものもあります。

完全歩合制は、フルコミッション制といわれることもあり、仕事の成果に応じて、会社が給与を支払う制度のことです。一般的に、正社員といわれる会社員に適用されることはありません。完全歩合制が採用されることが多いのは、業務委託関係にある保険の外交員、タクシードライバー、フリーランスで働くクリエイターなどです。

給与額の変化は嬉しい変化?完全歩合制のメリット


完全歩合制の大きなメリットは、成果がそのまま報酬に直結することです。完全歩合制のメリットは以下の3つです。

成果がそのまま評価される

完全歩合制は、「完全」と名のついている通り、実績がそのまま給与額に反映される制度です。純粋な成果が評価されるので、自分がどれだけ実績を上げたのかが、目に見えて分かりやすいです。

若くても給与アップが見込める

日本の企業は、いまだ年功序列で、年齢に応じて給与が上がることが多いです。30~40代になると、昇進などで大きな給与アップが見込めることもありますが、20代の若い世代では、なかなか大幅な給与アップを望むことはできません。しかし、完全歩合制であれば、給与が大幅にアップできる可能性があります。高い業績を上げれば、若くても高い給与が狙えます。

仕事のモチベーションが上がる

高額な給与が見込めるため、実績を上げようと仕事のモチベーションも上がります。モチベーションアップと高い給与が維持できれば、これ以上の天職はないでしょう。

安定した収入なし!完全歩合制のデメリット

上にも書きましたが、「完全歩合制」の働き方はつまりは業務委託です。会社側から定期的に支給される月給などとは違い、その支給は報酬と呼ばれるべき性格のものでしょう。

成果さえ上げられれば、大きな報酬を取得できる可能性がありますが、しかし裏を返すと、成果を上げられないとかなり苦しい仕事になるということです。

企業にとっては、「完全歩合制」は業務委託契約であり、雇用契約ではありません。

ですから、労働基準法27条に規定されている最低賃金を保障する義務もなければ、社会保険に加入させる義務もありません。

そういう意味で言えば、かなりシビアで過酷な働き方が「完全歩合制」ということもできるのです。

企業としてはあなたが稼いだ分の何割かをインセンティヴとして付与すればよいわけで、会社側にはかなりリスクやコストがない分、転職しやすい就業形態ではあるのですが。

そういう「完全歩合制」のメリット・デメリットはよくよく勉強した上で、求人情報などをチェックしてみましょう。

チェックした上で、それでも「完全歩合制」は自分に合っていると思えるのならば、転職してみてもいいでしょうし、やはり自分には合わない、と感じるのならば、通常の月給制の雇用契約で安定的に働く道を選ばれるのもいいと思います。

ここでは、成果が給与に直結するからこそ、完全歩合給がデメリットになることもありえるという側面から、完全歩合給のデメリット3つを確認してみましょう。

安定した収入が得られない

完全歩合制の大きなデメリットは、安定した収入が得られないことです。業績が良くて月50万円の月があれば、業績が落ち込み月10万円にも満たない場合もあるということも考えられます。会社員のように、毎月一定の給与額が保障される訳ではないので、場合によっては全く給与が発生しない月もあります。また、これに付随して、安定した収入が得られないため、ローンが組みにくいというデメリットもあります。

長時間労働になることもある

実績がすべての完全歩合制は、どのくらい働いたかは関係ありません。職種によっては、自由に休みを取ることもできますが、業績が思うように上がらなければ、その分働いて埋め合わせをしなければならないこともあります。

成果が上がらなければマイナスになる

成果がすべての完全歩合制は、成果が上がらなければ給与になりません。仕事につなげるための経費、例えばタクシーならガソリン代を負担しても、収益が上がらなければかえってマイナスになってしまうこともあります。

雇用契約を結んでいる従業員の完全歩合制は違法

労働基準法第27条では、雇用している従業員は労働時間に見合った一定の賃金を保障する必要があると規定しています。つまり、時間ではなく、実績が完全な評価対象となる完全歩合制は、雇用契約を結んでいる従業員には適用できないということです。

しかし、あくまで一定の賃金を保障すれば良いので、歩合給自体が悪い訳ではありません。賃金総額60%を保障給にすれば、一部を歩合制にすることができます。あくまで違法となるのは、完全に歩合にしてしまう、もしくは一定の賃金を保障しない歩合給制度にしてしまうことです。

転職中、求人を見ていると、「完全歩合制」や「歩合制」というワードが出てくることがあります。もしこのようなワードが出てきたら、雇用形態について、しっかり確認することをおすすめします。完全歩合制は法律上、業務委託なので、正社員の雇用はありません。業務委託の場合、会社を通して業務を行うものの、正社員のような待遇ではないので、原則社会保険には加入できませんし、所得税や住民税を納付するために、確定申告が必要になります。会社員としての待遇を望むのであれば、完全歩合制の業務委託を選ぶのではなく、一部歩合制の正社員を選ぶべきです。

現状の法制化では、「完全歩合制」が業務委託契約であることは揺るぎません。

しかし、完全歩合制(業務委託)だったとしても、安心して働きたい多くのビジネスパーソンが抱きがちである代表的な以下の5つの疑問がありますので、それぞれに回答していきます。

Q1.

業務委託で完全歩合制の仕事に就いている場合は最低賃金は適用されないですか? 委託先とトラブルになった場合、最低賃金だけでも支払いを求める事はできるのでしょうか?

A1.

業務委託契約は雇用契約ではないため、労働基準法の適用対象外となります。

ですから基本的には、完全歩合の仕事をしている場合、最低賃金の保証は受けられません。

ただし、もしあなたが業務委託の完全歩合であるにも関わらず、委託企業の指揮命令下の元に、契約書に明記されていない仕事を強要されたり、特定時間を拘束されているなど、委託企業と対等でない扱いを受けている場合、偽装請負に該当するケースもあり得、その場合は最低賃金の請求権が発生する場合もあります。契約内容はよく確認しておくことをオススメします。

Q2.

完全歩合制の社員には住宅手当や残業代など各種手当はありますか?

完全歩合の業務委託契約の場合、原則歩合給以外の支給はありません。

ただし、これはあくまで形式基準で、もし仮にあなたが「労働者」と認められた場合は残業代やあるいは、その企業に住宅手当の制度があるのならば、その制度の恩恵を受けられる可能性があります。

「労働者」と認められるケースとは、いくつかありますが、

・仕事時間や仕事場所を拘束されるその程度が強い。

・委託先から業務遂行において指揮命令に従わされている。

などがあります。自身の「労働者性」について一度よく確認してみましょう。

Q3.

完全歩合制の場合に、有給休暇はありますか?

A3.

業務委託契約では有給休暇の付与はありません。

これも上と同様、完全歩合の業務委託には「労働者性」が原則ないと考えられているからです。

しかしもし「労働者性」を証明できるならば、有給休暇は付与されなければなりませんから、ご自分の働き方をよく確認してください。

Q4.

完全歩合制で交通費などの必要経費は支払われますか?

A4.

これは業務委託契約の内容によってきます。

別途、交通費等、業務上発生した経費を支払う、という文言があれば、当然委託先に支払義務はあります。

しかし交通費を始めとした経費は業務委託料にコミコミというケースも多いようです。

契約内容を確認してみましょう。これから契約を締結する方は、別途経費の支払いについてはよく委託先に相談されることをオススメします。

Q5.

業務先とトラブルになった場合に、労働基準監督署に相談することはできますか?

A5.

業務委託契約は上にも書いてきたように、労働契約ではありません。

それゆえ、業務委託契約は労働基準監督署の対応のラチ外となります。

しかし繰り返しになりますが、今の業務遂行内容に「労働者性」が認められれば、たとえ表面上は業務委託契約だったとしても、労働法の適用対象となってきますので、労働基準監督署も相談に応じることができます。

ご自分が委託先の指揮命令下で働いている「労働者」なのか否か、確認されて、「労働者性」があるならば、労働基準監督署で相談されるのもいいと思われます。

完全歩合制にチャレンジする前に、メリット・デメリットをよく考える

完全歩合制は、主に業務委託の雇用形態で見られる給与制度です。高い実績を上げれば、給与額が大きくなる半面、実績がなければ給与額がゼロになってしまうこともあります。完全歩合制を重視する場合は、雇用形態、デメリットも踏まえた上で、求人を探すようにしましょう。


Rebe career 編集部

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