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給与欄に書いてある「歩合制」ってどんな制度?メリット・デメリットもあわせて紹介!

 2017年12月6日  Posted by  編集部

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転職サイトの求人情報などで「歩合制」や「歩合給」といった言葉を見かけたことがあると思います。基本給とは別に書いてあるので「収入が増えるってことかな?」となんとなくイメージはできると思いますが、どんな制度なのか、どのくらいの金額がもらえるのかなど、具体的なことは曖昧なままの人が多いのではないでしょうか。

そこで今回は、歩合制の仕組みとメリット、デメリットについて説明したいと思います。

歩合制とは?成果に応じて報酬が変わる給与制度

 

月給や年俸など、毎月決まった金額が支払われる「固定給」に対し、歩合制とは、本人の成果や業績によって報酬が変わる制度で「変動給」とも呼ばれます。多くの場合、「売上に対して○%、契約成立1件に対して○円」といった規定に沿って、報酬が支払われます。

歩合制には、大きく分けて「固定給(月給など)+歩合制」と「完全歩合制(フルコミッション)」の2つがあります。

固定給(月給など)+歩合制

あらかじめ決められている固定給に加えて、売上や契約件数に応じてプラスαで報酬が支払われる仕組みです。たとえば、不動産会社の営業で考えてみましょう。入社時に固定給(月給)が月25万円と決められていて、歩合の規定が「契約成立1件に対して5万円」で、今月は6件の契約があったとします。この場合は、固定給25万円+歩合給30万円(5万円×6件)=55万円が給与となります。

ただし歩合で収入が決まるとしても、企業は労働者の生活を確保しなければなりません。もし出来高が少なかったとしても、労働時間に応じて一定の賃金を払う義務があるのです。労働基準法第27条と第28条によって保障されているこの賃金を、「保障給」といいます。この保障給により、基本的には自治体ごとの最低賃金を下回った労働をさせることはできないようになっています。

(参考:厚生労働省 賃金に関する労働基準関係法令等について

完全歩合制(フルコミッション)

完全歩合制では「完全」の言葉通り、固定給がなく、すべての報酬(給与)が成果に応じて決まります。つまり、自分の業績が悪ければ、報酬がゼロになる可能性もあるということです。

なんとも厳しい制度ですが、労働基準法で労働者に対する賃金保障についての定めがあるため、一般的な雇用契約では完全歩合制を導入することはできません。たとえば、不動産・保険の営業やタクシードライバーなどで個人事業主として企業と業務委託契約を結ぶケースでは、完全歩合制による契約が結ばれることがあります。

完全歩合制については、以下の記事も参考にしてみてください。

参考記事:完全歩合制ってなに?メリットやデメリットを解説

歩合制を選ぶメリットとデメリット


歩合制がいいか悪いか、というのは一概には言えません。どのくらいの報酬が欲しいのか、生活スタイル、どんな働き方をしたいのかにもよるからです。そこでこの項目では、選ぶ目安として歩合制のメリット・デメリットについて考えて見たいと思います。

歩合制を選ぶメリット

・成果に見合った報酬が得られる

歩合制では、自分が業績をおさめることができれば、それに見合った高い報酬が期待できます。成果が給与というわかりやすい形で目に見えるので、達成感を強く感じることができます。年齢や入社年数なども関係ないので、若いうちから稼ぎたい、という人にはぴったりです。

・好きな時間、場所で働ける(完全歩合制のみ)

完全歩合制で仕事をするのは、一般的な雇用契約ではなく、いわゆる「個人事業主」にあたる場合です。労働基準法に縛られないため、稼ぎたい分だけ働けば、あとは何をしてもOK!営業エリアや働く時間も自由に選ぶことができます。

ここで注意しなければならないのは、「個人事業主のような雇用契約」として働いている人には適応されないということです。指揮命令下で使用されるような労働をする者は実質「労働者」、つまり雇用契約にあたりますから、いわゆる「雇われ店長」のような立場の人は労働基準法の範囲内です。役職的に個人事業主に見えても、実情が労働者であれば完全歩合制は違法となります。

(参考:市川社会保険労務士事務所 営業社員の給料を完全歩合制にできる?

歩合制を選ぶデメリット

・時間や労力に見合った対価がもらえない

業績をあげることができれば、月に数回しか働かなくていいということもありますが、一方で業績が振るわない月が続けば、給与は最低レベルとなり、住宅ローンなどを組んでいる家庭では、家計を圧迫する可能性も出てきます。

・労働時間が長くなる恐れがある

歩合制で高い収入を得ようとすると、出来高を増やそうとして必然的に労働時間が長くなってしまいます。実際の労働時間が短くても、その生産性を上げるための努力(労働時間外の勉強など)に時間をかけなければいけない場合もあり、総合的な時間対効果には注意が必要です。

・リソースの奪い合いが起こる

リソース(たとえば顧客)が有限である場合、「同じ職場で働く者はすべて敵」になってしまいます。多くの歩合制は個人戦となり、チームワーク的なスキルが身につく可能性は低くなります。

「固定給+歩合給」の場合の給与計算方法


「固定給+歩合給」の給与形態の会社の場合、実際の給与は、どのような計算によって算出されることになるのでしょうか。よくある例を3つ、ご紹介いたします。合わせて、歩合給でも残業代はでるのかどうかについても、見ておきたいと思います。

「固定給+歩合給」での月給の計算式(例)

例1:(月給)=(雇用契約で定められた月々の固定給)+(売上の1%に相当する金額)

例2:(月給)=(雇用契約で定められた月々の固定給)+(目標売上高を達成した場合の褒賞金10万円)

※「売上の1%」や「褒賞金10万円」の具体的な数値部分は、企業により異なります。

「固定給+歩合給」での残業代の考え方

企業は、歩合給部分に対しても、社員が法定労働時間を超えて働いた場合には、一定のルールにしたがって残業代を支払う義務があります。具体的には、以下の手順で歩合給部分の残業代を算出します。
手順1:1時間あたりの歩合給を算出(歩合給÷総労働時間)
手順2:「1時間あたりの歩合給×0.25(法定割増率)」にて割増賃金を算出
手順3:「割増賃金×法定時間外労働時間数」にて残業代を算出

「固定給+歩合給」で最低賃金以上かを確認する方法

先に述べたように、歩合給が採用されている場合であっても、最低賃金を下回ってはいけないことになっています。ここで、ご自身の給与が最低賃金以上かどうかを確認する方法も解説しておきます。

計算方法は単純で、「月給÷1ヶ月の平均所定労働時間」と「自治体の最低賃金」を比較すれば良いのです。

【事例】

群馬県で営業として働くXさんは、ある月に「基本給9万円+歩合給5万円+時間外割増賃金3千円=14万3千円」をもらいました。なお、Xさんの所定労働時間は月170時間。この月は時間外労働が20時間あり、合計で190時間労働しました。

時間外割増賃金は計算から除外されるため、計算に使うXさんの月給は「基本給9万円+歩合給5万円=14万円」となります。この金額を時給にすると、「14万円÷190時間=736円」となります。

群馬県の最低賃金は1時間あたり783円(平成29年10月7日発効)なので、Xさんの例だと最低賃金を下回り、保障給が支払われなければ違法となります。

(参考:厚生労働省 最低賃金額以上かどうかを確認する方法

 

まとめ

成果に応じた報酬が得られる歩合制は、特に若い労働者にとっては、とても魅力的な制度です。しかし、歩合制をつくっている分、基本給が抑えられていることもあるので注意が必要です。また完全歩合制で高い報酬を得るには、仕事のやり方に慣れていない第二新卒の段階ではまだまだ難しいというのが実態です。将来の選択肢のひとつとして考えておくのがいいでしょう。


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