キャリアアップマガジンTOP  >   “体育会系”は就職に有利?人事にウケるスポーツは?キャプテンは出世できる?調べてみた結果…… 

“体育会系”は就職に有利?人事にウケるスポーツは?キャプテンは出世できる?調べてみた結果…… 

 2017年12月1日  Posted by  編集部


野球やサッカーなど体育会系の部活に入っていたほうが就職活動に有利、という話を聞いたことがあると思います。なぜ体育会系だけこれほどもてはやされるのでしょうか?企業が求める体育会系の魅力について考えてみましょう。

そもそも体育会系って何?趣味でやってるだけじゃダメなの?

「体育会系」とはどんな学生を指す?

まず、そもそも「体育会系の学生」とはどのような学生を指すのでしょうか。

狭義では、「大学から『〇〇大学体育会』に所属すると認められている団体に入っている学生』のことを指します。しかし大学課外活動としてスポーツをしている団体はそのほかにも「同好会」や「サークル」などがあり、広義ではそちらも「体育会系」と言えそうではあります。ただし、大学の体育会は入部時にセレクションがあったり、同好会やサークルとは比べものにならないレベルの厳しい練習が課せられたりている点で、頭一つ出ている印象です。

「体育会的な気質」を持っている人が体育会系?

「体育会系」という概念はアメリカなどでも存在し、「jock(ジョック)」と呼ばれています。精神論、根性論、また上下関係を厳しく教え込まれた人間で、学校内階層(スクールカースト)では最上位になります。

就職活動などで「体育会系」という言葉が用いられる場合、採用担当者は活動の内情を把握できないため、体育会やサークルなどの所属に関わらず「体育会的な気質」を持っている人が体育会系と言えるのではないかと考えられます。

ただし、「体育会所属」であれば間違いなく体育会系であると言えるのに対し、「サークル所属」であるからと言って必ずしも体育会系であるとは限りません。同様に、大学以外の場でスポーツをしている人、趣味でスポーツチームに入会している人、草野球や草サッカーを休日に楽しんでいる人くらいだと、「確実に体育会系である」とは言えないでしょう。

企業が体育会系部活動の出身者を採用したがる6つの理由

「体育会系は就職活動に有利」という話は巷でよく言われることですが、本当なのでしょうか?本当に有利だとしたら、なぜ企業は体育会系出身者を採用したいと考えているのでしょうか?

以下はOCUSA(大阪市立大学スポーツアソシエーション)による「『体育会学生が就職に有利な理由』証言集」を分析したもので、みずほ銀行の元社員や人事コンサルティング会社の代表などによる証言をもとにしています。

1.上下関係に慣れていて礼儀正しい

部活動で培ってきた目上の人への礼儀正しさや気遣いが、自然と身についているのが体育会系出身者の特徴です。会社で働くうえで礼節の基礎や感覚を持ち合わせているというのは、社会に出てからも重宝されるのですね。

2.肉体的かつ精神的なタフさがある

辛く厳しい練習を学生時代に継続してきた経験は、企業には魅力的に映るようです。仕事は楽しいことばかりではないため、大変さや辛さを継続して乗り越えていける人材を企業は求めています。

3.目標を設定し、達成してきた経験がある

「インカレでベスト4!」など目標に向けて努力する経験を重ねてきている体育会系の人間は、挫折や失敗を乗り越えて結果を出す喜びや達成感を知っています。結果を出すまでのプロセスでの努力や、粘り強く結果を追い求める姿勢が企業には好印象のようです。

4.ハキハキしていて明るい人が多い

大きな声で挨拶!は体育会系の常識ですね。学生時代に大きな声や瞬発力が求められる生活を送ってきた影響なのか、体育会系出身者にはハキハキしていて明るい人が多くいます。営業など人と接することが多い職種では、顧客からも上司からも可愛がられるキャラクターになりそうですね。

5.チームワークで動くことを理解している

団体競技の出身者はチームの中での自分の役割を認識し、周りと連携を取ってプレーする経験を積んできています。周りの状況を見たり察しながら物事を進めることを理解しているので、企業から即戦力としての活躍が期待されるのです。

6.“自分事”として責任を感じられる人が多い

団体競技の出身者はチームの中での一人ひとりの責任が問われることを理解している人が多いです。そのため、チームでの業務でトラブルが発生した際にも問題を“自分事”として考えられる能力が身についています。業務遂行において責任感を持って取り組んでくれる人材を企業は欲しがります。

(参考:大阪市立大学スポーツアソシエーション 『体育会学生が就職に有利な理由』証言集

体育会系の中でも、人事が評価するスポーツは?

ひとくちに体育会系とは言っても、そのスポーツによって属性は様々です。では、どんなスポーツが人事にとって好印象なのでしょうか。

人事に印象の良いスポーツランキングTOP5

プレジデント誌が行ったアンケートによると、人事に好印象なスポーツは以下のような順になりました。

  1. ラグビー部
  2. 野球部
  3. アメフト部
  4. サッカー部
  5. バスケットボール部

これらの競技の共通点として、まず団体競技であることが挙げられます。またランキング全体を見ても、ゴルフ・卓球・ボクシングなどの個人競技は下位にランクインしています。団体競技での経験は、「チームでの立場を理解する」「瞬発的なコミュニケーション」など様々な能力の裏付けとなっているようです。

また1位のラグビー、3位のアメフトに加え、6位にランクインしているラクロス。これらの競技は基本的に大学から始めるスポーツであることから、部活動成績で大学に入学したわけではない、学業面でも信頼できる人材であると判断されることが多いようです。

(参考:プレジデントオンライン 就職活動でトクする「運動部」ランキング

体育会系は就職・昇進に有利?

採用担当者は体育会系を評価しているようですが、採用される側から見たときに、体育会に入っていることはどのように有効だと考えられているのでしょうか。

体育会はOB・OG訪問をする上で非常に有利

株式会社ディスコの「体育会学生の就職活動調査(2016)」によると、「体育会に入っていたことで就職に有利だと思ったこと」として「部活内で就活に関する情報共有ができた」、「選考時に体育会ブランドが通用した」などが挙がっているほか、OB・OG訪問を経験した割合が64%(一般学生は26%)と高い割合になっています。僅差ではあるものの一般学生と比べて内定率も高くなっているようで、やはり体育会に入っている学生は一般学生と比べて就職面で有利であることが伺えます。

(参考:株式会社ディスコ 体育会学生の就職活動調査

キャプテンよりもマネージャーのほうが昇進しやすい?

体育会の学生が就職に有利であることは分かりましたが、その後の昇進についても気になるところですよね。

少し古い資料ですが、経済学者の松繁寿和による特集(2005)において松繁が「部活の中で担っていた役 割と就職後の昇進の関係」について分析した結果、「体育会系の学生全員が昇進に有利であるわけではない」こと、また「キャプテンや部長などが昇進しやすいわけではない」ことが分かっています。

さらに、むしろ上位の職位に昇進しやすいのは体育会系の「マネージャー、主事、会計」を務めていた学生であるという結果が示されており、企業が求めているのはリーダーシップというよりも「組織を運営する力」なのではないかという考察で締められています。

(参考:松繁寿和 体育会系の能力 日本労働研究雑誌)

体育会系でない人は不利なのか?

ここまでの資料を確認していると、そもそも体育会系でない人は就職に不利なのではないかと思ってしまうかもしれません。また、体育会系であっても「人事に印象が良いスポーツ」ではない人、昇進に有利と言われている「マネージャー、主事、会計」でない人も不利であるかのように思えてしまいます。

体育会系が有利なのは、「体育会に入っているから」ではない

企業側も、「体育会の卒業生だから」という理由だけで採用しているわけではありません。「仕事を進める上で必要な能力をどの程度持っているか」、つまり社会人としての適性をみたときに、体育会系の学生はそれを満たしていることが多いというだけの話なのです。先にも述べた通り、スポーツ(特に団体競技)は企業という組織で活動するうえで必要な能力を鍛錬するのに適しています。体育会に入っていたということが分かれば、ある程度その能力があることの証明になるため、採用判断の基準として分かりやすいのではないでしょうか。

重要なのは「社会人としての適性」があるかどうか

つまり人事から人気のある競技をしていなくても、またそもそもスポーツ自体の経験がなくても、「社会人としての適性」があれば不利になることはないのです。

社会人としての適性というのは、いわゆる「社会人基礎力」のことです。代表的な例としては、①主体性や実行力などの「前に踏み出す力」、②課題発見力や計画力などの「考え抜く力」、③発信力・傾聴力・柔軟性などの「チームで働く力」の3つ。

これについては松繁(2005)も

授業か部活かという盲目的な二者択一を行うのではなく, また, 既得の学歴や部活をやっていることに安住することなく, 自己の能力向上を目指して主体的に判断・選択していかなければならない。

と述べているとおり、これら全てを座学やペーパーテストのみから身につけるのは難しいため、スポーツを含む課外活動を行なうことが重要だといえます。

(参考:経済産業省 「社会人基礎力」とは

体育会系のことを知って、就職活動や転職活動に活かしてみましょう

体育会系という言葉や、体育会系な企業風土、なぜ企業が採用したがるのか、ご理解いただけたでしょうか?学生時代の取り組みと実社会での取り組みは、繋がりが意外と深いものなんですね。就職活動や転職活動にあたって志望動機や自己PRの作成で困っている人は、学生時代の部活動での取り組みを思い返すと、いいヒントが見つけられるかもしれません。ぜひ探してみてください。


Rebe career 編集部

Rebe career編集部です。若手ビジネスパーソン向けに、スキルアップの方法論や今後のキャリア選択の参考になる良質なコンテンツを毎日配信しています。

関連する記事

”初めて転職”で不安な方へ。
20代の転職に強いキャリアエージェント

近々相談したい(登録1分)