就職を成功させるために知っておきたい!給与の「年俸制」って何?
2017年12月1日 Posted by 編集部

就職活動や転職活動をしていると、求人情報の給与欄で見かける「年俸制」。プロ野球選手が契約更改で「推定年俸○億円」と耳にする方も多いはず。では実際に「月給制」と何が違うのでしょう?今回は年俸制のメリットやデメリットについてまとめてみました。
そもそも年俸制ってなに?成果主義って本当?
・年俸制とは
年俸制とは、社員の給与を1年単位で決定する制度を指します。対して、月給制は1月単位で給与が決める制度です。「え!?ということは…年俸制は1年分の給与が一気に振り込まれちゃうの!?」と思った方、ご安心ください。労働基準法第24条2項により、会社から社員への給与支払は最低月1回必要となります。
したがって会社によって違いはありますが、
- 年俸として提示された金額を12分割して1/12を月々支給
- 年俸として提示された金額を14分割して1/14を月々支払い、残りの1/14を賞与として夏季と冬季に1回ずつ支給
などの支給方法が一般的です。
・年俸制は成果主義?
結論からお伝えすると、「年俸制=成果主義」という図式は正確には成り立ちません。なぜなら、上記でもお伝えしたとおり、「年俸制」とはあくまで給与を年単位で決めるという制度であって、社員の成果や実力を測る評価制度ではないからです。
「でも年俸制って、成果主義で働いた分が給与に反映されるって聞くけどなあ」という方に、次事項でなぜ成果主義のイメージがあるのかも解説します。
年俸制のメリット・デメリット
では年俸制を取り入れると、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?社員と会社、それぞれの立場も考えながら解説していきます。
・年俸制のメリット
1.長期的な計画が立てやすい
社員は1年で支払われる給与がすでに決定しているので、ローンなどの長期的な家計の計画が立てやすくなります。また企業も、評価や査定を1年単位で実施すればよいので、次年度予算や経営計画を立てやすくなるなど管理のしやすさが挙げられます。
2.給与額が保障されている
良くも悪くも1年間でもらえる給与額が決まっているので、もし会社から期待されている目標達成や成果を残すことができなくても、その年の給与が変わることはありません。
3.働くモチベーションを上げやすい
年俸制は実は成果主義と相性が良く、評価・査定を1年単位で行えば良いので1年間の成果や業績をしっかり年俸に反映できます。プロ野球などの契約更改がイメージしやすいです。「大きな成果・業績を作って翌年の年俸を上げよう!」と、モチベーションを上げることができます。「年俸制=成果主義」ではありませんが、連動させることでメリットがあるということです。
・年俸制のデメリット
1.評価が上がっても、すぐに給与には反映されない
どんなにその月に業績を上げても、次の給与査定までは収入は上がりません。月給制だと翌月の給与にインセンティブが上乗せされる会社もあります。
2.給与が下がるかもしれない
「前年は成果が上がらなくて…」という社員で今年の年俸が残念ながら下がってしまった場合については、次の査定までの1年は低い給与が続きます。
3.モチベーションの維持が困難
メリットで書いたことと相反しますが、起こりえることの1つです。上記のように1年間低い給与のまま働かなくてはならなかったり、評価が即時給与に反映されることがないため、一度年俸制が下がってしまうと少し辛い状況になるかもしれません。
年俸制って残業代は出るの?賞与はある?
・年俸制だと残業代は出ないって本当?
答えはNOです。年俸制だからといって、企業が残業代を支払わなくていいということにはなっていません(労働基準法第37条)。雇用契約の段階で「〇時間分の時間外労働手当を含む」と明記されている場合を除いて、契約の範疇を超えての残業や休日出勤に関しては別途残業代の支給が必要となります。「うちは年俸制だから、残業代はないよ」と言われる経営者の方もいるようですが、それはありません。残業代が不当に削られるようであれば、労働者は労働条件の不利益変更としてこれを拒否する権利があります。
・年俸制だと賞与は支給されるの?
年俸制だと、賞与については下記のような支給方法があります。
1.月給分割型
前述したとおり、年俸として提示された金額を14分割して1/14を月々支払い、残りの1/14を賞与として夏季と冬季に1回ずつ支給という支給方法の、「残りの1/14を賞与として夏季と冬季に1回ずつ支給」の部分が賞与相当にあたる支給方法です。元々14分割しているものを、夏季と冬季の特定月に1分割ずつ上乗せしているので、支給額が個人評価に左右されることもありません。
2.業績評価型
賞与は年1回だけとし、その額は会社の業績や個人の評価によって変動させるかたちを業績評価型と呼びます。端的に言えば、年俸で提示された金額以外に別途賞与が支給されるシステムです。成果・実力主義を掲げる外資系企業が多く取り入れているシステムのようです。
月給制と年俸制、自分に合った給与制度を検討しましょう
年俸制は「給与が年単位で決まる」制度ですが、前年の業務での成果や業績が年間の収入を大きく左右するポイントです。毎月インセンティブがあったほうがモチベーションが上がるのなら月給制+インセンティブがある会社、実力で報酬を手に入れたいのなら賞与が業績評価型になっている会社を選ぶなど、自分の性格や生活スタイルに合った給与制度を選びましょう。
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