非4大卒の転職戦略!そもそも企業はなぜ4大卒を欲しがるのか?
2018年6月28日 Posted by 編集部

求人の応募資格として、「学歴の指定」が記載されていることは多いと思います。その中でも頻出する「4大卒」という学歴は一体どんな人を指し、どのように位置づけされているのでしょうか。
4大卒の特徴、企業が欲しがる理由を知っておくことで、「非4大卒でも有利に転職を進める方法」が分かってきます。
4大卒って何だ?その背景、実態を知っておこう
4大卒=4年生の大学を卒業した人
4大卒とは、最終学歴が「4年制の大学を卒業」である人のことを指します。短大や専門学校、高等専門学校などではなく、一般的な大学を卒業すれば、どこの大学出身であっても該当します。いわゆる学歴として機能する呼称で、比較対象は主に「短大卒」「高専卒」「専門卒」「高卒」「中卒」になります。
また就職活動・転職活動において「大卒以上」と指定されている場合は、「4大卒もしくは大学院卒」を指していることになります。
ちなみに筆者は過去に「4大卒」のことを「東大や京大などの有名4大学のどれかを卒業している必要がある」という意味だと勘違いしていた経験があり、「就活、厳しすぎるだろ……」と思ったことがあります。
日本において4大卒の割合は50%
「世界の大卒比率 国際比較統計・推移」から日本の大卒比率を確認してみると、2016年時点で50.50%となっています。これはカナダ、ロシアに続いて世界3位で、トップレベルの大卒率であることは間違いないようです。
50%を少しでも上回っているということは、もはや日本では「大卒以上が当たり前」になりつつあるということになります。これにともなって、過去は高卒や専門卒が多かったアパレル業界や販売職であっても、4大卒の従業員の割合が非常に高くなっているようです。
参考:グローバルノート 世界の大卒比率 国際比較統計・推移
お金持ちか借金するしか無理?大学を卒業するまでの費用(私立・国立)
しかし、一般的に大学を卒業するためにはそこそこの費用がかかります。
文科省の調査によれば、大学の授業料(1年間)の平均費用は私立大学で86万4384円、国立大学でも53万5800円。これが4年分、さらに25万円強の入学料もかかるわけです。結果、4年間の平均費用は私立文系大学が675万円、私立理系大学が818万円、国立大学が457万円。入学にともなって一人暮らしを初めたり、私立大学の中でも医療・芸術系の大学だったりするとさらに費用が上乗せされます。
ですから、4大を卒業するためには非常に大きな金額が必要となります。参考までに、2016年度現在では大学昼間部の学生のうち48.9%、半数近くが奨学金を受給しています。
参考:
文部科学省 学校基本調査
日本学生支援機構 学生生活調査
4大卒だからといって100%優秀であるとは限らない
2003年に大学設置認可制度の規制緩和が行なわれたこともあり、日本において4大卒の割合は半数近くになりました。しかし、「4大卒を卒業したのに就職できない」という人の数も増加しており、現在では15%ほど。これは30年前と比べると2.5倍にもなっているそうで、本質的には「大卒=優秀」とは言い切れない現状があるようです。
大卒の給与が高いのは、単純に「これまでの大学観」の名残か、大学卒業までにかかる費用に見合ったものにするためという理由がありそうです。
参考:朝日新聞デジタル データでみる就活
なぜ企業は4大卒を採用するのか?3つの理由
(1)優秀な人材が採れる可能性が少しでも上がるから
学歴は、その人材の能力を必ずしも反映しているものではありません。偏差値の高い大学出身でもその企業にマッチするとは限りませんし、大学を卒業していなくても優秀な人材はたくさんいます。
しかし、やはり採用する側の立場になって考えてみると、少しでも「優秀率」を高めたいというのが本音でしょう。採用にはコストがかかりますし、もし「優秀でない人材」だった場合の言い訳にも使えます(採用担当者が上司に詰められたとき、「4大卒だから大丈夫だと思ったんですけどね〜」と言える)。
ですから、学歴の高低で多少フィルターをかけることができるのであれば、使わない手はないのかもしれません。
(2)専門知識を身につけた人を採用できるから
専門職・技術職での募集においてよくあるのが、このパターン。大学・大学院では高度な専門知識を身に付けることができるため、その知識やスキルを必要としている企業は4大卒以上を募集するしかないのです。理系のイメージが強いですが、文系でもありえる採用基準です。
(3)大量の募集をさばく「足切り」のため
また、求人に対して募集があまりにも多い場合に、足切りとして学歴を設定している企業も存在します。学歴不問、とすると募集が来すぎてしまって対応できなくなる(=優秀な人材を見つけるためのコストがかかりすぎる)ため、4大卒でなくてもよい業務でもそれを条件としているのです。
高卒でも4大卒に負けない!有利に転職活動を進める方法
4大卒が採用基準とされやすい理由があることは分かりましたが、4大卒でないからといって就職活動や転職活動を諦める必要はありません。先ほどの「企業が大卒を採用する理由」に当てはまるような人材であれば十分戦える可能性があるので、学歴以外の部分で企業が求める人材になってしまえばよいのです。
専門知識を身につけるために→手に職をつける(資格も含め)
さきほどの「企業が大卒を採用する理由」の2番目は、専門知識があることによる優遇でした。
企業が人材を採用するときに見ているのは、応募者の価値です。高い学歴を持っている応募者は、それが価値のひとつとして判断されるから採用されやすいのです。というわけで、まずは「学歴に頼らずして自分の価値を上げる」という方向で考えてみましょう。
具体的な方法としては、「手に職をつける」「資格を取得する」などがあります。学歴から判断できることは「仕事ができそう」にとどまりますが、「経歴3年」などの経歴や具体的な資格名は採用担当者に確信を与えます。業務内容にマッチしたスキルを身につけておくことにより、4大卒を超える需要を手に入れることは十分可能なのです。
契約社員や紹介予定社員でレベルの高い会社に入社して正社員登用を狙う
4大卒でなくても、大手企業に転職するチャンスは大いにあります。その方法のひとつとして、「まず正社員でない方法で採用される」というものがあります。これは先ほどの「学歴による足切り」を防ぎ、採用されやすくするという方法です。
いきなり正社員として採用されるのは難しくても、アルバイトや契約社員として希望の企業に入ることはそう難しくない場合があります。そしてその後のキャリアアップとして、正社員登用を狙うのです。
例として、筆者は地方の無名私立大学出身ですが、同期の友人がこの方法で大手企業の正社員を狙っています。契約社員とはいえ大手なので給与もそこそこ良く、社会人としての力も身についていきます。友人を見ていると、やはり高学歴の人材と比べてしまうと時間はかかるようですが、不可能ではないのだなと感じます。
学歴の影響が少ない業界・職種を選ぶ
また戦場を「学歴以外の部分で判断されやすいところ」に移すという方法もあります。「求めている人材に当てはまってさえいれば、学歴はあまり重視しない」と考える企業を選ぶということですね。
たとえばIT業界やクリエイター的な仕事であれば、学歴よりも圧倒的に経験・スキルが重視されます。特にIT業界は市場拡大にともなって人材不足が著しく、「スキルがないなら教えるから、とにかく来てくれ!」と叫ぶ企業も少なくありません。
IT人材白書2017によれば、特に近年注目されている「業務改革」、「IoT・ビッグデータ」に関する事業や、それにともなうシステム受託開発を行っている企業では顕著に人手が足りていないことが分かっています。さらにIT企業に対して行なわれた「今後も人材不足は続くか?」というアンケートでは、全体の3割以上が「長期的に続く(2020年以降も続く)」と回答しているため、今からスキルを身につけてIT職に就くことも現実的であると言えます。
ただし、「学歴不問」や「未経験者歓迎」といったハードルの低い企業は、ブラック企業である可能性も高くなることに注意が必要です。求人情報のいくつかのポイントから判断し、ブラック企業に入社することにならないよう気をつけたいところです。
IT業界について、また未経験者歓迎求人については、以下の記事で触れていますので参考にしてみてください。
参考記事:
発展を続けるIT業界の中で生き残る!「将来性のあるシステムエンジニア」とは?
ブラック企業もホワイト企業も出している「未経験者歓迎」求人。そこに含まれる3つの意図とは
「4大卒」は、企業が人材の能力を判断する材料の一つです。学歴がすべてではありませんが、企業側にも「なるべく優秀な人を採りたい」という意図があります。もしご自身の学歴が気になるようであれば、今回紹介した方法を参考にし、挽回を目指してみても良いのではないでしょうか。
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