転職後にうつになってしまう原因は?転職とうつの関係性と対策
2018年6月25日 Posted by 編集部

転職後は疲れや不安を感じやすく、うつ症状を感じるひとも多くいます。なぜ、転職後の心は疲れを感じやすいのでしょうか? 転職後にストレスを感じやすいのは、決してあなたの心が弱いわけではありません。転職とうつの関係性と対策方法についてご紹介します。
転職後に感じやすいストレスの要因
転職後は新しい環境のなかでストレスを感じることが多くあります。まず、ストレスの要因となるものが何なのか確認しましょう。
環境の変化―合わせるためのストレス
「職場環境の変化とストレス(安田宏樹)」によると、労働時間や賃金などの変化が心的ストレスに影響することが調査からわかっています。ストレスの原因としては長時間労働や低賃金での労働そのものに焦点があたるケースが多いですが、実際にストレスを感じる要因としては、過去と現在の変化そのものなのです。
転職はまさに、あらゆる労働環境が変化する転機です。新しい環境に早くなじもうと焦る気持ちも加わり、心に激しい負荷をかける状態だと言えるでしょう。
評価への不満―新人は評価されづらい
今までキャリアを積んだとはいえ、転職先でのあなたは新人同様。はじめから高く評価されることはまずないでしょう。
「仕事・会社に対する満足度調査(2017年、リスクモンスター株式会社)」によると、正当な評価を受けていると感じていない人は46%おり、評価に対して不満を感じています。
全体で約半数とも言える評価への不満を見ると、転職後は不当な評価にストレスが蓄積しやすい環境であることがわかります。
自己達成感が不足―慣れない仕事はうまくいかない
他者からの評価だけでなく、自分自身が慣れないタスクばかりで失敗することが増えます。
自分が正しいことをできているという安心感が奪われ、心が不安定になっていきやすいことは言うまでもないでしょう。
ストレスが増えやすい転職先
では、ストレスの要因がわかったうえで、そのストレスを増やしてしまいがちな転職先はどこなのでしょうか。
残業が日常化している業界
労働時間の長さは睡眠時間の減少につながり、うつ病のリスクも高めると言われています。数千人の公務員を対象におこなわれた調査では、1日の労働時間が11時間を超える人は、7~8時間の人に比べ、約5年後のうつ病の発症リスクが2.4倍ほど高まったという結果も出ています。
なお、IT業界や広告業界などの残業が日常化している環境ではストレスや疲労の蓄積がはやく、転職後の環境変化も相まってうつを加速させる可能性が高いという調査結果もあります。
(参考記事:「5時間睡眠、うつ病のリスク 100時間残業に相当」)
不規則な生活リズムが強いられる職場
先ほど挙げた長時間労働と同様に、睡眠時間が短くなる傾向のある不規則なシフト制の職場も、うつ症状につながる危険性があります。
医療系やメディアのほか、夜間の業務が中心となる店舗や工事現場などが挙げられます。いずれも生活リズムが安定せず、ストレスを回復するタイミングが失われてしまうところが特徴です。
また、生活リズムが安定しない職場は人手不足にも陥りやすく、ひとりに対してかかる負荷が大きくなる傾向があります。
転職した理由と現実が一致しない業務内容
業務内容に不満があったり、ルーティーンワークしかない職場もストレスをためやすいでしょう。また、転職活動中に希望していた業務内容ではないことがわかったときの苛立ちも、転職後の心に負担をかけます。
転職する人たちは、一度前職で「職業選びを失敗した」と考えている可能性が高く、その上で転職した職場の業務内容に不満が見つかってしまった場合の落胆は激しいものです。
“転職うつ”を避けるために
こうした、うつ症状につながりかねない強いストレス要因が転職後の環境に潜んでいることは、そう珍しいことではありません。自分の心をストレスから守るために、どのような工夫をすれば良いのでしょうか?
「転職=新しいスタート」だと考えよう
環境の変化そのものが心にストレスを与えると前述しましたが、前職と現職の差を比較して嘆くような考え方がそのストレスを増長します。
転職したら前の職場のことはできる限り忘れ、リセットした気持ちで臨むよう心がけることで、変化に対するストレスは減ることでしょう。
無理をして環境にあわせる必要はない
今までとまったく違った環境に「早く慣れよう」とすればするほど、焦りが緊張を生み出します。過剰に緊張した状態が続く「過緊張」は、イライラや不安を増長し、うつ病を引き起こす可能性の高いと言えます。
無理をして緊張してしまうくらいなら、「どうせ最初から合うわけがない」と気楽に考えたほうが、心には負担が少ないでしょう。
一人でいいから仲間を見つけよう
ストレスフルな環境で、相談や愚痴を誰にも伝えられないことが、何よりも大きな負荷になります。
多くの人と出会わなければならない転職直後の環境で、仲間をたくさん作れとは言いません。たった一人でも、あなたが気兼ねなく相談や愚痴をこぼせる相手を見つけましょう。
日本ではうつ病と自覚を持つタイミングが遅いケースが多く、カウンセラーに相談する文化が欧米と比較して浸透していないことがその原因とも言われています。誰かに相談できる環境を自らが作らないと、取り返しのつかない状態まで気がつかないかもしれません。
転職後もすこやかな心を保つために
転職そのものが悪いわけではなく、転職という行為はストレスを増やす要因が多いということを今回お伝えしました。転職後はストレスが多い日々が待っていることを覚悟し、予防を意識することが大切です。
本来であれば、新しい職場での日々はキャリアアップとしてあなたの人生の契機になるはずです。心の疲労が良い契機を無駄にしてしまわないよう、無理をしないよう心がけましょう。
中堅人材派遣会社から未経験でITベンチャーへ転職
年収150万円UP
日々の仕事は楽しいが、先が見えてしまい飽きてしまった。
そんな折、エージェントに相談し、新しい挑戦のきっかけを
手に入れる事が出来た。
26歳 男性