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あなたは大丈夫?違法な「みなし残業」を見分ける5つのポイント

 2018年7月6日  Posted by  編集部


みなさんの会社には「みなし残業」はあるでしょうか?実はきちんと制度を運用していないと「違法」となってしまうのです。自分の会社は法律に則って「みなし残業」が行われているでしょうか?「みなし残業」のメリット・デメリットと、違法なみなし残業を見分ける5つのポイントを解説します!

「みなし残業」が認められる4つの要件

そもそも「みなし残業」とは何か?

みなし残業とは企業が労働者に対し「月あたり一定の残業時間がある」と想定し、元々の給与の中にあらかじめ想定される残業時間分の残業代を含めて支給する制度のことを指します。「みなし残業」という呼び方のほか、「見込み残業」「定額残業制度」「固定残業制度」などの呼称もあります。

「みなし残業」が認められる4つの要件とは?

「みなし残業」の運用が認められるには以下のような4つの要件があります。まず、こちらがきちんと定められているかどうか、自社の就業規則などを確認してみましょう。

  1. 労働契約や就業規則において「みなし残業(固定残業制度)」が明確に定められている
  2. 「みなし残業代(固定残業代)」とそれ以外の賃金(基本給など)が明確に区別されている
  3. 「みなし残業代(固定残業代)」が何時間分を想定した残業代として支払われるか明確にされている
  4. 残業時間が想定時間を超えた場合、超過分について別途割増賃金を支払うことを明示している

以上の4つの要件が「みなし残業」には求められています。したがって、みなし残業のある企業で働いている社員の労働契約書や就業規則には、「1か月あたり○時間残業したものとして、固定残業手当△万円を支給するものとする。また、実際の労働時間が○時間を超えた場合には別途所定の割増賃金を支給する」などの記載がされている必要があります。

みなし残業を取り入れることによるメリット

みなし残業のメリット(1) 企業側のメリット

みなし残業を導入している企業側の大きなメリットとしては、一定の残業時間までは個々人に合わせて残業代の計算をしなくてよいことです。一定時間までは同じ残業代のもとで働くことが決まっているため、個々人に合わせて細かな残業代の計算をする必要がありません。

もちろん、定められているみなし残業時間を超過した分に関しては、きちんと残業代の計算をし、労働者に対して支払う必要があります。

みなし残業のメリット(2) 労働者側のメリット

みなし残業のある企業で働いている労働者のメリットとしては、残業をしなくても「残業代」が毎月定額で支払われるという点です。みなし残業代に関しては「今月は残業をあまりしなかったので、支払いません」という性質のものではなく、一定時間まで残業をしなくても標準的に毎月支払われるものになっています。

つまり、残業をしないように効率的に仕事をする人にとっては、非常にメリットの大きい制度と言えます。

あなたの会社は大丈夫?違法なみなし残業を見分ける5つのポイント


企業にも労働者にもメリットがある「みなし残業」ですが、実は、違法に残業させられている場合があります。あなたの会社は大丈夫でしょうか? 最後に、違法なみなし残業を見分ける5つのポイントをご紹介します。

1.みなし残業の金額や時間が明確でない

みなし残業代の金額や、みなし残業が何時間までなのかについて、労働契約書や就業規則に明確な記載がない場合、みなし残業は有効になりません。求人情報などにも下記のような表記がよくあります。

(1) 月給25万円(みなし残業手当42時間分含む)
(2) 月給20万7850円(一律残業手当含む)

上記のように、みなし残業について表記している企業もあります。しかしこれだと下記のような問題点があります。

(1):基本給等の賃金がいくらで、残業代がいくら分なのか明記されていない
(2):残業代がいくらで、みなし残業の時間が何時間なのか明記されていない

したがって、上記の表記では、みなし残業が有効にはなっていない可能性があります。みなし残業を取り入れている企業で働いている人は、労働契約書や就業規則にしっかり明記されているかどうかを確認してみましょう。

2.みなし残業時間を超過した残業代が支払われない

みなし残業時間を超過して残業した分は、別途、残業代が発生します。しかし「みなし残業代を出しているからいいだろう」と、超過分残業代を労働者に支払わない企業があるようです。

みなし残業の制度は企業側が定額で労働者をいくらでも残業させられる……という制度ではありません。みなし残業時間を超えて働いた分は、しっかり残業代を貰う権利が労働者にはあります。

3.一定時間に満たないとみなし残業代が支払われない

みなし残業について労働者のメリットとして、残業をしない月でも定額のみなし残業代が支払われることを説明しました。しかし企業の中にはみなし残業時間や、あるいは残業が一定時間に満たないと、「みなし残業代」を全額もしくは一部支払わない企業があるようです。

みなし残業は制度上、残業があってもなくても残業代を一律支払わなければなりません

4.雇用側がみなし残業代を周知していない

労働者側に「みなし残業」を適用していることを知らせずに、勝手に「みなし残業」とされていたという大変悪質なケースもあるようです。「え?勝手にみなし残業代分の給与が増えているの?」と思われた方もいるかもしれませんが、実は違うのです。月々受け取っていた給与は変わらず、その中の一部がなんと勝手に「みなし残業代」にされているというケースがあるのです。

社員を大切にしている企業であれば、このようなケースはまずありません。なので、このケースにあてはまる場合は、危ない企業が多いと言わざるを得ないでしょう。

5.最低賃金を違反している

「うちの会社はきちんと基本給やみなし残業代の金額も明記されているし、そのとおり支払われているから大丈夫!」と思った方、もう少し確認してみましょう。実はきちんとみなし残業代が支払われているからといって、合法ではない可能性もあります。

賃金については「最低賃金」が定められています。基本給だけではなく、時間外の割増賃金なども対象となるため、自身の賃金が最低賃金を下回る場合は差額を請求することができます。自分の給与を時給換算したら、実は最低賃金を下回っていた……ということがないか、確認してみましょう。

正しく使えば企業も労働者もメリットのある制度!

みなし残業代が有効となる4要件やメリット、違法なみなし残業を見分ける5つのポイントをご紹介しました。制度を正しく使えば企業にも労働者にもメリットがあります。自分の会社では正しく制度が運用されているか、確認してみましょう!


大森由理

大森由理

ニーガタのオーモリ。既婚29歳の派遣事務とライター業。大学院まで運動生理学が専門、卒後は研究員として働く。キャリアに興味があり、人材紹介会社で1年営業をする。キャリア、教育、スポーツ、研究界隈が好き。近頃は「やってみるをやってみる」実行中。

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